私は昨年の流行語にも選ばれたイクメン、すなわち育児に関わる男性を応援する趣旨からNPO法人ファザーリングジャパンに入っています。
この団体、今回の東日本震災に対しても精力的に活動していて、すでに多くの会員が被災地へ入ったり、また後方支援をしたりしています。
ここで現地に入ったある女性会員の方のご指摘で、被災地から”ママ目線”でのいくつか大変に有用な情報が入ってきました。
その情報に基づいて”パパエイド募金”からさっそく現地に健康管理に役立つ”体温計”を購入して送るというような支援がなされていますが、その被災地の現実をリポートした貴重な情報の中に、子どもや幼児をお持ちの方の
”母子手帳”を被災で紛失した。
という、なんとも切実な情報が含まれていました。
赤ちゃんを待ち遠しく思う方に妊娠中から配布され、予防接種の記録だけでなく子どもの発育のために貴重な情報が積み重なっていく母子手帳は、日本人の優れた発明。アジアの各国が有用性を認め、これと同様の制度を取り入れたと聞いています。
そのような母子手帳、誠に頼もしいものではあるのですが、海外に住んでみて気が付いたことがあります。
実は医療の現場ってある意味とても国際的。予防接種の接種記録には、医療人ならすぐに見て分かる国際的な標準書式があります。
広げるとタテ長の、黄色いカード。
先日海外へ住むことになり追加の予防接種を受けた家族もまさにこの形式のカードを携えてアジアの某国へ赴きました。
アメリカで生活したことのある私たちにも親しみのあるもの。
しかし日本の母子手帳は基本的に日本語で記載されていることと、その書式にしたがっていないため、日本人医師でなければ理解出来ません。海外に住むとか長期滞在で予防接種の情報が必要なときには事前にわざわざ日本で英訳したものを持っていくか、日本人の多く住む地域なら日系のドクターなどが母子手帳の内容をいちいちその黄色の予防接種記録カードに書き写すというサービスが必要です。
日本語でしか書いていないばっかりに。
標準書式に従っていないばっかりに。
母子手帳の予防接種の記録も、書式を標準にして英語が併記されたものであれば世界中の医療人が理解出来るのです。
好むと好まざるとに関わらず、日本人であっても日本を離れて暮らす機会がある人は多いもの。
母子手帳は自治体が発行するものだから各自治体に内容はまかせる、というのが基本にあるにしても、もう少しサービスの向上が出来ないものか。私には疑問です。
もちろん私は医療人ではないので、私の理解が間違っている部分がありましたらぜひご指摘ください。