ちょっと考えてみてください。
かなり肌寒い映画館。毛布は無いし、さっきからちょっとトイレにも行きたい気分。だけど満席のなかで、自分の席は通路から遠い真ん中あたり。お話はクライマックス!!自分以外はみんな映画に集中しています。
1.無理!寒いんだし、トイレには行きたいんだもん。すみません、すみません、って言いながらでもトイレに立つ。
2.ガマンの限界まではとりあえず耐える。
あなたはとりあえず2を選択。映画が終わるのが、ガマンの限界より早くて途中トイレに行かずに済みました。よかったー。
で、出口に向かったとき。
あなたは今の映画についてアンケートに回答させられることになります。
どのシーンが泣けた?
このストーリーで一番笑ったところは?
ヒロインのキャスティングはイメージどおりでしたか?
・・・・
冷静に答えることって無理ですよね。
それがどうしてLD(学習障害)のお話と結びつくのかというと。
LD児といわれる人が一斉教育のクラスにいるときの本人の大変さって、上ののっぴきならない状況とよく似ているんです。
座ってろって、それが無理だから立って歩く。まずこれで指導されますよね。
で、かなり辛抱して座ってみた。
次はテストぉ~?!
むっかー!!!
そこでテストに集中できたら、そっちのほうが奇跡です。
でも、人種や文化もいろんな人が混じっているアメリカでは、LD児の研究が進んでいて、LDなのに社会的に大きな成功を修める人も相当な数出てきています。
その方たちを見れば、能力差でないことは一目瞭然。
勉強のスタイルが、子どもの個性によって違うということ。
そして、それに寄り添う教育がありさえすれば伸ばせるものがたくさんあるということです。
逆に、もしあなたがいわゆるLDではなくても、体の不調ひとつ、さらには本当にトイレをがまんするようなささやかなことでもあったら。
自分の能力を100パーセント出し切ることって簡単に邪魔されるかも。
そう思ってご覧になると、LD(学習障害)のお子さんと対応していてもいろいろとお気づきになる点があると思います。
ADHDとLDの違いなどには立ち入っていない簡単なご説明ではありますが、お役に立てると嬉しいです。