技癢(ぎよう)を感じる
という言葉がある。
漢字も言葉も見慣れない。

これは、
自分の技量を見せたくて
うずうずすることを言う。

格闘家なら
強いと言われる選手の試合を見ていて
なんだかじれったい試合をしていた時、
俺ならもっとこうするのに、
俺にやらせろよと思う心理。

小説家なら、
売れっ子の小説を読んでいて、
ここの場面は、こうじゃなくて
自分ならこういうふうにするとか、
発想が浮かんできてしまい、
俺に書かせろよと思う心理。

若い頃は、
技癢を感じることが
少しあったような気もするが、
最近は全くない。

でも、
技癢を感じるってことは、
見方によっては、
マウントを取りたいという心理に
通じるので
あまりいいものではないな。

「マウントを取る」なんて言葉、
ここ10年くらいに登場した
新しい言葉だよな。

昔はなかった言い方だ。

逆に
「技癢を感じる」なんて言葉は、
今は、
凡人はまず使うことはない。
文学など、
本をたくさん読む人は
当たり前に知っているのかもしれない。