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昨日、帰りに、ふとブックオフに寄った。
 
雑誌のコーナーにあった1996年11月号のジャズライフを、なにげに見ていると
 
ベーシストの川端民生(1947~2000)のインタビューが載っていた。
 
ふだん考えもしていない人だったが、
 
どういうわけか、記事をじっくり読んでみたい心境にかられて、
 
購入してしまった。
 
 
川端民生は、
 
1970年代に旬だったネイティヴサンの結成時のベーシストである。
 
目立たないが、不思議な存在感を持った人だ。
 
 
個人的に思い出すのが、
 
30年以上前に、
 
新宿のピットインに、とあるライブを見に行った時に、
 
ひょろっと背の高い男がベースを持って立っている姿が、
 
妙に気になった。
 
誰のライブだったかは全然思い出せないのに、
 
そこで寡黙にベースを弾いていた、暗そうな男が川端民生だったことだけは、
 
不思議にハッキリ覚えているのだ。
 
どんなプレイだったかは覚えていないが、
 
存在に妙にインパクトがあって、
 
この人は一体どういう人なんだろうと、
 
いろんなドラマが勝手に思い浮かんできたとを思い出す。
 
 
 
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今回、ジャズライフのインタビュー記事を見れば、ほぼ想像通りの人であった。
 
北海道の田舎出身で、もともとは音楽とは無縁のスポーツ少年であり、
 
地元で、身近な音楽と言えば、
 
せいぜい高校や自衛隊のブラスバンドくらいだったという。
 
高校3年からジャズが好きになり、ジャズ喫茶に行くようになった。
 
そこに出ていたアマチュア・バンドのベースが辞めたので、
 
たまたまそこにいた時に、ベースをやらないかと勧められて始め、
 
独学でコピーしながら覚えたそうだ。
 
ある日、

東京からベースを探して札幌まで来ていたピアノの板橋文夫に出会い、
 
そのまま東京に出てきた。
 
 
彼は、練習もほとんどしないという。
 
めんどくさいんだそうだ。
 
当時流行りだったチョッパーなどのテクニックにも関心なし。
 
生涯、自分名義のアルバムはなく、
 
サイドメンとして参加したアルバムも、せいぜい十数枚程度だという。
 
それでいて、ミュージシャン仲間からは、絶大な信頼を得ている。
 
実に摩訶不思議、時空を超越しているというか、
 
本当にこの世の人だったのだろうか?
 
これほど欲がなく、ある意味悟りきったミュージシャンも珍しい。
 
 
2000年、肝臓癌で死去。享年53歳だった。
 
当時、訃報は風のウワサに聞いていた。
 
 
 
1999年の、古澤良治郎(ドラム)の特集番組の動画。
 
ここの、21:00あたりからの演奏シーンに、
 
川端民生が出てくる。
 
23:46あたりから、彼が古澤良治郎について語るシーンがある。
 
・・・・・うーん、やっぱ変わってる。(・・・やや、オネエ系か?)