スタンダードナンバーの「What Is This Thing Called Love 」(恋とは何でしょう)は
コール・ポーター(1891~1964)の書いた曲である。
いろんな人に演奏されているが、
とりあえず、ジュリー・ロンドンのヴォーカルで聴いてみる。 ↑
後に、ピアニストのタッド・ダメロン(1917~1965)が、
この曲のコード進行を使って書いたのが、「Hot House 」だ。
下の動画は、チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーのもの。 ↓
1940年代の終わりに、
黒人の熱いビバップを冷めた目で見つつ、バッカじゃねえのと思ってかどうかは知らないが、
白人を中心とする、「クール・ジャズ」という流れが起きた。
レニー・トリスターノ(p)、リー・コニッツ(as)などが代表的だ。
熱さを抑え、理知的で、無機質な、ある意味「情緒に欠ける」サウンドが特徴だ。
この、「What Is This Thing Called Love 」や、「Hot House 」のコード進行を使って、
1949年、リー・コニッツがクールで無表情にキメた曲が、
「Subconscious-Lee 」(サブコンシャス・リー)である。 ↓
(ここでのギターは、ビリー・バウアー)
要するに、この3曲、
みな同じコード進行なんである。
同じ人物でも、着る物や髪型を変えれば印象が変わるように、
同じコード進行も、メロディを変えれば印象が変わる。
ジャズには、こういう例がたくさんあるのだ。
「Subconscious-Lee 」は、
キーが、一体マイナーなのかメジャーなのか
よくわからない無調な感じがカッコいい。
個人的な好みとしては、
高柳昌行(1932~1991)の、「Cool JoJo」というレコードに入ってるギターが圧巻なので、
ホントはそっち貼り付けて、彼のスゴさを語りたかったが、
YouTubeになかった。(残念)
ビバップとクール・ジャズの関係は、
テンションの高いヤツがはしゃいでいる横で、
それを、冷めた目で見ているクールなヤツといったところかな。
もし、
オリジナル曲を作ろうとして、煮詰まったら、
既成の曲のコード進行だけ、
ちゃっかり丸ごと拝借するってのも、大いにアリだ。