あの日、あの朝~兄貴が鬱ったんです~ -3ページ目

あの日、あの朝。

今から8年前、凄く天気のいい朝。中学2年生だった私は母の突然の言葉に目を覚ました。

「お兄ちゃん、おかしくなっちゃった」


オニイチャン、オカシクナッチャッタ?
オニイチャン?オカシク…

え?何?何だって??
まだ眠い頭にはぼんやりとしか言葉の意味は入ってこなかった。

「お兄ちゃん、おかしくなっちゃったから…ちょっと、見てみて…」

母の珍しく動揺した姿を見て、私は混乱しながらも隣の部屋へとおそるおそる入っていった。

おかしくなっちゃったって、そんな、何言ってんだろ?

半信半疑の私が見た、その日の兄貴は

朝日が差し込む明るい部屋のベットの上で、ポカーンと口を開けながらどこか一点を見つめる兄貴の姿だった。
まだ状況が把握出来ていない私の後ろから、看護婦だった母が言った。

「お兄ちゃん、口がしまらないの。何も答えてくれないの。……心の病気になったかもしれない」


それが兄貴と私と家族の鬱病との出会いだった。