…【万葉仮名】の起元に付いて…
…【万葉仮名】は、『秀眞伝』&『三笠文』に記された【5・7調(韻律)長文体(口述文対)】の形式を起元としている。此の事に付いては、次ぎの【5月例会】、つまり、今月の【5月3日・上代史(奈良時代以前史)研究会】…を以て説明する予定です。
…然るに、今月の例会に用いるテキストの内容に関する文書を下記に記載致します…。尚、此処に言う『万葉集・巻五』の歌を構築する大伴氏とは、『秀眞伝』 、及び、『三笠文』に記載されている【日本国家・創建史】(神武天皇・即位元年に始まる)に記述されているよう功績が在ったとして、尚、其の功績を称えられて成る氏族(道臣命)が記述したとされる文書で在り、【5・7調(韻律)・和歌文体】(秀眞伝を構成する書式)に関する、定型詩【ワカ】(和哥)の重要性を説いた…【ヤマトタケ】(『日本書紀』は日本武尊と表記)の物語の中に登場する【大伴武日】系の氏族でも在る。
…尚、当会のメンバーの或人は…「『竹取物語』の作者は誰か?」…と言う謎解きの研究に挑戦されていて、其の『竹取物語』にも、此処に言う大友(大伴)氏族に言う【大伴御幸】が、実名入りで登場しているとして、此の『万葉集・巻五』の【好去好来】の内容をも、古代史の歴史研究に関する謎解きの【鍵】として、当研究会のテキストの中に取り込んだ次第で在りました。
…而して、最初に記した[松浦・佐用姫]の歌に関しては、[ガラパゴス]的位置に有る、[伊万里・佐代姫塚](浦之崎に存在する)と、[大伴サデヒコ]との時代検証の為のテキストとして用いる事と致します。
--『萬葉集・巻五…871』…「得保都必等(とほつひと) 麻通良佐用比来(まつらさよひめ) 都麻胡非尓(つまごひに) 比例布利之用利(ひれふりしより) 於返流夜麻能奈(おへるやまのな) 」…憶良、誠惶頓首、謹啓(天平二年七月十一日に、筑前国司山上憶良謹上す)。
…『万葉集・巻五… 894』(山上憶良、頓首謹上)…【好去好来】の歌一首…
…「神代より(神代欲里) 言ひ伝て來らく(云伝久良) そらみつ(虚見通) 大和の国は(倭国者) 皇神の(皇神能) 嚴しき国(伊都久志吉国) 言霊の(言霊能) 幸ふ国と(佐吉播布国等) 語り継ぎ(加多利継) 言ひ継がひけり(伊比都賀比計里) 今の世の(今世能) 人もことごと(人母許等期等) 目の前に(目前尓) 見たり知りたり(見在知在) 人多に(人佐播尓) 満ちてはあれども(満弖播阿礼等母) 高光る(高光) 日の大朝廷(日御朝庭) 神ながら(神奈我良) 愛での盛りに(尓愛能盛) 天の下(天下) 奏し給ひし(奏多麻比志) 家の子と(家子等) 撰ひたまひし(撰多麻比天) 勅旨(勅旨反云大命) 戴き持ちて(戴持弖) 唐の(唐能) 遠き境に(遠境尓) 遣はされ(都加播佐礼) 罷りいませ(麻加利伊麻勢) 海原の(宇奈原能) 辺にも沖にも(辺尓母興尓母) 神留まり(神豆麻利) うしはきいます(宇志播吉伊麻須) 諸の(諸能) 大御神たち(大御神等) 船舳に(船舳尓反云布奈能閇尓) 導きまをし(道引麻遠志) 天地の(天地能) 大御神たち(大御神等) 大和の(倭) 大国御魂(大国霊) ひさかたの(久堅能) 天のみ空ゆ(阿麻能見虚喩) 天翔り(阿麻賀気利) 見渡したまひ(見渡多麻比) 事終はり(事畢) 帰らむ日には(還日者) また更に(又更) 大御神たち(大御神等) 船の舳に(船舳尓) 御手うち掛けて(御手打掛弖) 墨縄を(墨縄袁) 廷へたるごとく(播倍多留期等久) あぢかをし(阿遅可遠志) 値嘉の岬より(智可能舳欲利) 大伴の(大伴) 三津の浜辺に(御津浜備尓) 直泊てに(多太泊尓) 御船は泊てむ(美船播将泊) つつみなく(都都美無久) 幸くいまして(佐伎久伊麻志弖) 早帰りませ(速帰坐勢)。
…「神代欲理 云傳久良久 虚見通 倭國者 皇神能 伊都久志吉國 言霊能 佐吉播布國等 加多利継 伊比都賀比計理… --山上憶良『萬葉集』 巻五・894 」
… 「おおともの みつのまつばら かきはきて われたちまたむ はやかへりませ 」(大伴 御津松原 可吉掃弖 和礼立待 速帰坐勢」・『万葉集』巻五…895…【反歌】)。
… 「なにはつに みふねはてぬと きこえこば ひもときさけて たちばしりせむ」 (難波津尓 美船泊農等 吉許延許婆 紐解佐氣弖 多知婆志利勢武」・ 『万葉集』巻五…896…【反歌】)。
…以上…此の[万葉仮名]と其の訳文は、『万葉集』(小学館発行・1995/4/10/第一版第一刷発行)の本を参照しています。