Hold Harmless 条項 | 言葉の海を漂う

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フリーランス在宅翻訳業12年目の主婦。翻訳や生活のこと。

ホールド・ハームレス条項とも呼ばれる典型的な免責条項を書いてみます。


Seller shall defend, indemnify and hold Buyer harmless from any claims, liability, damages, and any other losses and expenses, including reasonable attorney’s fees, arising out of or resulting from any defect in the Products delivered by Seller to Buyer.



indemnify hold harmless は、ほぼ同じ意味で「免責する」と訳します。indemnifying partyである契約の一方当事者(この場合、売主)がすべての賠償責任を負い、indemnified partyである他方当事者(買主)にいっさい賠償責任を負わせないという意味です。



defend は「防御する」と訳されますが、その意味は、(この文では売主が)訴訟が起こったときに防御を担当する、つまり、代理人として法廷に立つ弁護士を雇うということです。


また、この文では、claimという単語が入っているので、訴訟手続きが開始する前でも、(第三者)クレームが発生した時点で弁護士に相談する費用も売主が負担することになります。


さらに、訴えが起こったときに買主が売主の知らぬ間に弁護士を雇って原告と和解し、あるいは高額の費用をかけて弁護士を雇い、その和解額や弁護士費用を売主に転嫁したりすることがないように、売主は、

Seller shall assume the defense of such claim.

(売主は当該請求の防御を引き受ける)

Buyer shall grant Seller sole control of defense or settlement.

(買主は、売主が単独の判断により訴えに対する防御・解決をなしうることを認める。)


などの定めも入れた方が良いようです。



reasonable attorney’s fees (合理的な弁護士費用) という文言がよく挿入されますが、これは損害賠償額に劣らず弁護士費用がかかる場合があるからです。