海につくとBYSの言う通り落ち着いたように見えた。
時折来るセットのサイズはさほど変わらないがセット間隔が少し開いたようだ。
更にワイドダンパーの部分が狭まって同じ場所からDROPしても抜けられる可能性が増している。
BYSが必勝パターンとして排出口からGETTING OUTすれば難なく沖に出れることを教えてくれた。
実際、このPOINTではそれは紛れもない定説だが大雨後で排出される水は大きく濁ったCOFFEE色になっていた。
私は水の水質をすごく気にするたちなので日頃はここからOUTに向かうことはご法度と考えているが今はそんなことを言ってる場合じゃない。
むしろ当たり前なことを普通に提案してくれたBYSに最大の感謝をしたかった。
独特な淡水の匂いが鼻をつくというケミカルな要素を除けば沖へはエスカレーターのような快適さだった。
確実に1~2セットは喰らうが朝のSESSIONから比べればなんて事はない・・・
後から参加してガス満状態のYNSは完全に沖に出る前に形の良い波を見つけると直前で反転し、余裕でTAKEOFF・・・
数秒波のうらに隠れると20mほど先で3連リップ。
筆を思いっきり大振りして出すような見事な弧を海水シャワーで表現していた。
次の小さめなセットは私のもとへ
軽いカービングの後50Mほど走ると最後にFLOATERでまとめたがタッチダウンで飛ばされてしまった。
そんな感じで2回目のSESSIONが始まる。
ずっと入り続けているYOICHIとTMRは私たちよりもだいぶOUTでドセットを狙っていたがそこに黒いバケモノが襲う。
私はフルパドルで沖に向かったが二人は乗るためのフルパドルでDEPARTURE GATEを探していた。
ダブル近いそのバケモノは雨と強烈なOFFSHOREでTAKEOFFの時の視界は0に近い。
ドピークのYOICHIは風に戻されぎりぎりで飛び出せずGATEに取り残された。
少しショルダーのTMRはあきらめずPADDLEを続けFREE FALLで波から落ちると深いBOTTOM TURNからショルダーでレイルを固定。
そのまま大蛇の胃の中に吸い込まれていった。
私は波の後ろからTMRを目で追ったがそれはTUBEを抜けたかどうかではない。
ギリギリではあるがどんなSURFERでもぬけられないPOSITIONからのDROPだったのだ。
彼もBOTTOMではそれを悟ったはず。
でも迷いもなく大蛇の懐に向かっていったのだ。
波が過ぎ去り10秒ほどたっただろうか私が見たPOSITIONから30mほど右から生まれたばかりの子供のように息を吹いた。
あの状況でそれほどの距離を走るとはジャンヌダルクも脱帽だろう。
TMRとYOICHI、そして途中でBYSも混じってのハードコアセットアタックは終わるまで続いた。
私はそれよりも少し手前で5本ほど台風SWELLを楽しんだ。
ただYNSだけは終始手前でKEEPしてセットを喰らい続けながらも切れた波を乗り続けた。
私は疲れ果てて意識が朦朧とした後半に一度GETTING OUTしたときにYNSの横で波待ちをしたことがあった。
意識が朦朧していたこともあり本来の沖よりはだいぶ手前だったがYNSが波待ちしていたので沖のポジションだと安心してしまったのだ。
“YNS~俺本当は小さい波が好きなんだ~誰にも内緒だよ~”と私は話しかけた。
すると“俺もです~”とYNSは返したのを覚えている。
くだらない話をしながら一つ波を超えると沖の一本後ろに最大級のセットが見えた。
私は確実に喰らうと感じたがYNSはなぜだか微動だにしない・・・
私は“ちょっと沖で休んでくるね”と言ってフルパドルで沖に向かった。
一つ波を超えたときその波はすでに限界までせり上がっていて間に合わないことは明白だった。
私はインパクトでダブル近いスープにやられないことを考え形だけのドルフィンで応戦しようと身構えた。
ボードが飛ばされた時のことを考えて一応後ろを確認するとYNSはさっき話していた時と同じ位置でリラックスして波待ちしていた。
一瞬の出来事なので定かではないが誰もいないのに白目をむきながらぶつぶつ誰かと話しているように見えた。
多分あのまま波待ちの姿勢でダブルのスープに消えたに違いない。
ひたすらセットをドロップし続けるYOICHIとTMR。
そして波が来るたびにフルパドルで乗ろうとするがなぜか乗れないBYS
そしてセットを喰らい続けながら手前の波に乗り続けるゾンビのようなYNS。
全てが夢のようなひと時だった。
海から上がって歩道橋の上から海全体を見渡すと500mほど離れた隣のポイントではこちらより少しだけまとまった波を明らかに私たちより格上のLINEで20人ほどのSURFERがすべての波をこれでもかと切り刻んでいた。
私はその近未来のパフォーマンスにレベルの差を思い知ることになる。
BIG WEDNESDAYのマットがジェリーを見た時のように自分たちの時代はとっくに終わったことを再認識しながらある意味すがすがしい気持ちで車へ歩いた。
後でわかったのだが彼らは生粋の湘南トップランカーと日本のスターO・HIROTOだったようだ。
千葉がLOCAL POINTの彼なのにそのフットワークの軽さには脱帽だ。
YOICHIとBYSのGOOD RIDEはタイミングが悪かったのか見ることができなかったが彼らの実力をもってすれば何本かは良い思いをしたのは間違いないだろう。
YNSとTMRはこのコンディションでも充分に攻めるRIDINGを見せてくれた。
私は年々衰えていくMANEUVERに満足とまではいかないが充分に2017年を終えられそうに感じた。
何より日曜の良い時間にほぼ5人の貸し切りでGOOD POINTを独占できたのがうれしい。
なんせ千葉から日本のトップがわざわざ来たくらいだからね・・・
次にいつこんなSESSIONができるかはわからない・・・
でもその時が来たらEARTHの馬鹿野郎たちといつ何時もSURVIVEできる用意はしておきたいものだ。
THE END・・・OR TO BE CONTINUE