年明け深夜の「朝まで生テレビ」雑感 | 書物と音盤 批評耽奇漫録

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元日になったばかりの年明け深夜に見た「朝まで生テレビ」、出演陣のメンツ見て、どうやら積極財政派対緊縮財政派の激論になりそうな雰囲気だったので見ましたけど、まぁ激論には全然なってませんでしたね。


正月早々物騒な騒ぎになるのをやめたのかもしれんけど、なんとなく全体的に、小川淳也(立憲民主党・衆議院議員、党元政調会長)、小幡績(慶応大学准教授、元財務官僚)、小林慶一郎(慶応大学教授、政府『新型コロナ対策分科会』メンバー)、デービッド・アトキンソン(㈱小西美術工藝社代表取締役社長)、三浦瑠麗(国際政治学者、㈱山猫総合研究所代表)といった緊縮財政派の人たちが、それぞれに社会的にやりたいことっていうのがあって、まぁそれはそれでどれも別にいいんだけど、でも結局それは与党や財務省がちゃんと財政出動をしないとうまくいかないし、消費税減税とかしないと悪循環に陥りかねないよという土台の話を、要所要所で藤井聡(京都大学大学院教授、元内閣官房参与)が釘を刺すように解説するという展開を繰り返してましたな。


要するに金もないのに夢ばかり語っているところに、"そういう理想は資金提供する人がいないと実現しないよ"と大人が諭しているような展開でしたけど、まぁその大人側としてもですね、別にこれからの世の中こうしたいとか言ってる夢をバカにしたり、その芽を詰みたいとは思ってないわけですよ。


だから彼らが言ってる事を藤井さんはわりと静観していたような気がするんだけど、ただ、それなりに正しいことも言ってるわけだから黙って聞いてるけど、問題はその人たちが、それは積極財政を行って財政出動するとか消費税を減税するという土台がないと成り立ちにくいし悪循環に陥りやすいということに無頓着すぎることですよね。


だからいちいち藤井さんが合間合間にそこに釘を刺さなきゃいけなかったんだろうなという反復展開でしたな。


藤井さんもそうだったけど、見ているこちらにしたって、誰も彼らが主張したいこと、国のためにしたいこととか言ってることを、別に否定したいとは思わないんだよね。


積極財政の重要性にピンとこないか、財務省の代弁者みたいな人たちが、消費税減税や国債発行だとか、マクロ経済の視点からものを見ることをいちいち否定してくるところは幼稚だなとは思うけど、この人らが目指すところはわからんでもないわけですよ。


ただ、根本的な土台を忘れてたら、その立派な理想も成し得ないし、悪循環になるよという話で。


でも、そういう幼稚なマクロ経済からの視点軽視や、積極財政や消費税減税を否定したことを言ってるのは中年以降の相変わらずの論客だけで、駒崎弘樹(NPO法人フローレンス会長、内閣府『子ども・子育て会議』委員)、田内学(作家、元ゴールドマン・サックス証券トレーダー)、たかまつなな(㈱笑下村塾代表取締役、時事YouTuber)といった若手の人たちはそんなこと誰も言ってなくて、寧ろ経済成長を否定している上、消費税は25%にしろなどとクソバカなことを言ってる立憲民主党の小川氏なんぞはっきり批判していましたな。


つまり昨日の番組の中で若い人で夢を語っているというか、国のためにこうしたらいいと言ってる人たちの方が、中年以降で夢を語るばかりで積極財政を軽視している人たちよりも、まともな認識があるということです。


というか現実を知っているということですよ。


それがよくわかった事は良かったですね。


追記:だが駒崎弘樹(NPO法人フローレンス会長、内閣府『子ども・子育て会議』委員)のNPOにおける狡猾な手法は大問題だと思うが。