漫画の映像化は失敗することの方が多いという気がしますし、実際に失敗作も幾つか観ましたけど、成功しているものも意外と結構あります。
●原作漫画を、さらにヒューマンドラマとして肉付けしたようなTV「ドラゴン桜」、
●裁判にまつわる現実の厳しさや問題、または絶望を毎回きちんと描いていたTV「ホカベン」、
●野木亜紀子の脚本がひたすら良かったTV「重版出来!」、
●漫画キャラの再現度がハンパない上に(特に白木芽衣子役の護あさな)、井口昇監督の個性もよく出たTV「監獄学園」、
●原作漫画を忠実に映像化することの美点を確実に出していたTV「ミステリーと言う勿れ」、
●主役の遠藤憲一がスナイパー役にかなりハマっててとてもよかったTV「湯けむりスナイパー」と、
オダギリジョー、石橋蓮司、小泉麻耶というキャスティングが良い上に、ドラマ自体の出来も毎回秀逸だったTV「リバースエッジ 大川端探偵社」。
これはどちらも大根仁監督の名作ですね。
●漫画からそのまま抜け出てきたような佐藤二朗による主人公の再現度の高さもさることながら、脇に小沢仁志が出ているキャストもよく、原作の面白さをきっちり表現しきれていたTV「めしばな刑事タチバナ」、
●原作漫画を、終わっている抗争に、自ら落とし前をつけるために一人殴り込むラストに変えたことで、感動的な「ワイルドバンチ 」感を醸し出した石川均監督のVシネマ「傷だらけの仁義」、
今年公開の映画でも、「君たちはまだ長いトンネルの中」は、実によく出来た映画化作品でした。
6月に観てから、未だに順次ロングラン上映が続いていますが、これは、今の日本の政治経済問題の大本質を突く超社会派映画が、下町人情喜劇的ほんわか青春アイドル映画として観れる凄い離れ技の大傑作です。
現実に勃発中の緊縮財政財務省権力vs積極財政派の大紛糾が迫力のクライマックスに描かれており、もはや全国民が観た方がいい映画です。
通常マクロ経済問題は庶民の話とは乖離しがちで語りずらいものですが、下町人情喜劇的なほんわかアイドル映画テイストをベースにしたことでそこが通底的に繋がって見えるところが秀逸です。
そして財務省系緊縮財政派の悪役を萩野崇が風格ある黒い存在感で好演しているのも対立構図の映画に厚みを持たせています。
さすがは王蛇です☆
これは、本当は学校が生徒全員に毎年観せるべき映画だと思いますね☆