はじめまして。ERRCのMiaと申します。
(facebookページも是非ご覧ください)
引き続き、動物に関するお話です。
今回は、R.E.A.Dプログラムについてご紹介したいと思います。
→ 動物によるレジリエンス (3):スペシャルタレントと動物
ワンコに本の読み聞かせ??
皆さんは、本を読むことが好きですか?普段何気なく行っている、字を読むという行動。しかし中には、字が動いてしまったり、歪んで見えるために読みづらかったり、読めなかったりする人たちがいることをご存知でしょうか?そのせいで、本を読むことが嫌いになってしまったり、その他の学習においても問題を生じることもあります。これはディスレキシアと呼ばれ、正しい診断や対処方法を知ること、また周りの理解が欠かせません。
私たちERRCでも、このような問題を抱える子どもたちの学習支援を行っていますが、多くの子どもたちはまず、著しく自己肯定感が低いといった印象を受けることが少なくありません。本当は本を読みたいけれど、読むスピードが遅いと怒られたり、読み方が間違っていると笑われてしまったり、周りから受けるマイナスの反応のために、なかなか彼らの学習意欲を向上させることは難しいのです。
こうした子どもたちのためにも、アメリカはユタ州にある、Intermountain Therapy Animals という団体によって、R.E.A.Dという画期的なプログラムが始まりました。これは、イヌやネコに子どもたちが本の読み聞かせを行うというものです。「イヌに読み聞かせ?」と思われた方も多いかもしれません。しかし、20年前にこのプログラムが始まって以来、今ではアメリカ全土、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアなど、世界中で広がりを見せています。
(Intermountain Therapy AnimalsのHPより)
ワンコやニャンコという最高の特効薬
では、なぜこのプログラムが注目を浴びたのでしょうか?以前アニマルセラピーの話をしましたが、やはりヒトと動物の特別な関係性は多くのメリットを生むことが証明されることになったからでしょう。例えばイヌを目の前にすると、子どもたちの心拍数や血圧が安定し、リラックス効果があると言われています。また、「ワンちゃんなら間違っても恥ずかしくない」「ワンちゃんなら喜んでじっと聞いてくれる」といった、子どもたちにとってプラスの感情が芽生えるということも、非常に大きなメリットです。
前述した、ディスレキシアなどの問題を抱えた子どもたちは、「どうせ何をやっても無駄」「自分は能力の低い人間だ」と自分自身に対してマイナスの感情をもつことが多いのが現状です。驚くべきことに、イヌやネコという存在は、こうした低い自己肯定感を一気に向上させてくれるのです。子どもたちの見つめる先には、否定などしない絶対的な味方が優しく見守ってくれています。
こうした気持ちの変化は、子どもたちにとって非常に大切です。もっとポジティブになることが必要なのです。また、本をもっと身近に感じることができれば、学習に対してももっと前向きになれることでしょう。イヌやネコはその強力な助っ人であり、最高の特効薬なのです。
(三鷹市立図書館によるREADプログラム)
動物を最優先に考えたプログラムであること
ERRCでの学習プログラムでも、シャイな我が家のネコ、ナナコちゃんがたまにヘルプに来てくれます。彼女は知らない人があまり得意ではありませんので、少しずつ慣らすことから始めます。彼女のご機嫌を最優先にしてのふれあいです。アニマルセラピーも同様ですが、動物たちが最優先です。お互いにプラスにならなければ意味がありません。
こういったR.E.A.Dなどのプログラムでは、専門家によるコーディネートや経験が豊富がボランティアによって正しく行われることが重要です。最近ではこうしたアニマルセラピー、そしてネコカフェやイヌカフェなど、様々なところで気軽に見聞きすることが増えてきました。しかしながら、こうしたサービスを提供する側はもちろん、利用者する人にとっても、動物の命を扱う責任は非常に重いということを決して忘れてはいけません。
(ERRCでヘルプ中のナナコちゃん)
ERRCでは、こうしたアニマルセラピーを含んだ様々なイベントや独自のプログラムを作成中です。ご興味のある方、協力してくださるボランティアの方、是非お気軽にご連絡ください。
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