『『あなたが落としたものはどっちですかー?♪』』
あっ…お姉ちゃんとアタシ……
『本当はお前達にお嫁に行ってほしくないよ、ずっと俺の手元に……ってお嫁に行くことが女の子にとっての幸せなのに、俺はダメな父親だ』
あの時……何を言ってるのかよくわからなかったけど、今ならわかる。
『お嫁に行っても、お前達の家はここだからなっ…!』
あの時……何を言ってるのかよくわからなかったけど、今ならわかる。
『お嫁に行っても、お前達の家はここだからなっ…!』
ぐすっ……父さん、お嫁に行っても、ここはアタシの家であることに変わりはないよね?

『お父ちゃん、離れてもラヴのそばにいてくれるんだよねっ??』
『ああそうだ…父ちゃんは、ずっとラヴのそばにいる』
父さんと一緒に眠ったベッドは温かかった…父さんは、いつも温かかった。

『俺は、このベドフォード家が大好きなんだ。この家に生まれて、みんなに出会えたことが何よりの幸せだった……』
父さん、アタシも父さんの子供に生まれてきて、この家に生まれてこれて幸せよ。

『みんな…今まで、ありがとう。みんなのこれからの人生が、光満ち溢れますように・・・・』
この日のことは、ずっと忘れない…。今までベドフォード家を守ってくれてありがとう。父さんが守ってくれたベドフォード家は、これからもずっと続いていくわ。
こうやって、この家は代々続いてきたんだね。ずっとずっと昔から・・・・

『この家を…ベドフォード家を、出ていくの??』
これは、昨日のアタシ…??それじゃあ今のアタシってどこにいるの??
やだ、急に怖くなってきたっ…マルティンっ───!!
『───ラヴ!!』

「ラヴっ!どーした!?」
「っ!!マル、ティン…?」
「うなされてたよ、大丈夫??」
「んっ……」
マルティンの顔を見たら安心して涙出てきてしまった。
「ラヴ〜どうしたんだよ〜、まさか結婚したくなくなったとか?マリッジブルーってやつだ、アハハ!」
「うん……」
「え!??(嘘だろ!無理だよ!)」

「ちょっとだけ、昨日思っちゃったの。この家を出るの寂しいなって…。でも、今のマルティンの顔見たらそんなのどっか行っちゃった」
「っ」
「アタシ、不思議な夢を見たのよ。これまでこの家で起こった出来事が走馬灯みたいに……。夢だから定かではないけど、きっと本当にあったことなんだと思う。やっぱりアタシ、この家が大好き」
「…エリーさんが見せてくれたのかな」
「そうなのかな…。ふふっ…父さんたら、粋なことしてくれるわ」
「……ラヴ、今日のデートはオレにエスコートさせてくれる?」
「どこに行くの?」
「───二ヴの丘」
二ヴの丘……おじいちゃんや父さん達が、プロポーズした後に訪れた場所。私達山岳兵にとって大切な場所。

「夢を見たらね、思い出したの。アタシ、父さんと約束をしたのよ」
「約束?」
「父さんは山岳兵としてしか生きてこれなかったから、街の生活を見てみたいって。父さん、アタシの目から一緒に見てるんだって。だから、ちゃんと約束守らなくちゃ」
「そっか……。なんか急にラヴの目が見れなくなったな」
「ふふ、もう遅いわ。マルティンの悪事は全部お見通しなんだからね」
「悪事って…(胸が痛い。)エリーさんが生きてたら、オレのこと認めてくれたかな」
「大丈夫、認めてくれたわ。だってアタシが選んだ人だもの」
「もちろんっ、責任を持ってラヴを幸せにするさっ…します!」
「急に敬語?(笑)ふふっ、父さんを意識しすぎよ」
「───ラヴ。もう一度ここで、プロポーズしてもいい?」
「え?」
「シズニ神殿よりも、ここの方がラヴにとって神聖な場所のような気がする」
「マルティン……」
「───ラヴ・ベドフォードさん」
「っ」
マルティンはアタシの前に立膝をつく。
「君はこの山で育って、大好きな家を出るのはつらいだろう。街での生活も最初は慣れないかもしれない。でも、ラヴの見たことのない景色はオレが見せてあげたい。これからもずっと、色んな景色を一緒に見ていこう」
「マルティンっ…」
「マルティン・ブオナロティは、ラヴ・ベドフォードを愛しています。私と結婚してください」
アタシ達家族にとって特別な二ヴの丘。なんだか父さんやご先祖さま達が見守っていてくれるような気がした。
「はいっ…こちらこそ、よろしくお願いしますっ…」
マルティンの差し出した手をそっと握る。
「ラヴ…ありがとう」
マルティンの手をとると、マルティンはアタシの手に優しく口付けした。
(結婚して家を出ても、ベドフォード家はアタシの家に変わりないから。そうよね、父さん?)
大好きなベドフォード家を出るのはさみしいけど、大好きなマルティンと一緒に生きていくからもうさみしくない。
(父さんとの約束を守る時が来たんだわ)
「おはよ〜ふぁ〜あ。あら、ラヴちゃん早起きね〜」ゴシゴシ
「おはよう母さん。これ、受け取ってくれる?」

「ケリーおじちゃんはアタシの気持ちわかるでしょ?」
「ああ…今のラヴを見てると、俺も家を出たあの日のことを思い出すよ。寂しいような、うれしいような、不思議な気持ちだった…」
「あの日も父さんと話してたよね…」
「え??」
「あっううん、なんでもない」
「あの日家を出た日から、ベドフォード家がより大切な場所になった。故郷っていいものだな」
「ケリーおじちゃん……」
アタシも、ケリーおじちゃんと同じくらい、ベドフォード家のことを大切に思っていこう。
「さあ、ラヴの新しい人生の門出だ、いってこい!」
「うんっ!!」
☆☆☆
ケリー、いいおいたん(*^_^*)最後のおいしいところを持っていくのがケリーらしい(笑)
進む道は別れても、同じベドフォード家!だね!
次回、ラヴの結婚式です!





