(山田)

子ども・若者の“声”募集箱について伺います。

これは小学4年生~18歳の子ども・若者が川崎市に対して想っていることや感じていることを把握し広く子どもたちの想いや考えを受け止め、市政運営の参考意見とする仕組みです。

私も、子どもの声を聞く重要性を都度様々述べさせていただいておりまして、本取組には期待をしている所ですが、令和5年度に寄せられた声の「学校に関すること」に関する一部の市の考えについて、私的に違和感がありましたので、質問をさせていただきます。

スライドお願いします。

<声①>

担任の先生からのいじめや暴力があったそうなので、少しでもいいので改善されたらいいなと思います。

<市の考え抜粋>

学校の先生について、困り事がある場合には、他の先生などに相談しましょう。

<声②>

自分に合う先生を選択したいです。

<市の考え抜粋>

学校の先生について、困り事がある場合には、他の先生などに相談しましょう。

<声③>

顧問の先生のことで悩みがあって、部活を休めず、やめることもできません。

<市の考え抜粋>

困りごとがある場合には、まずは他の先生や職員に相談しましょう。

<声④>

シャーペンを持っていきたい、校則を何とかして欲しい、といった旨の多数の声

<市の考え抜粋>

学校の先生に相談してみてください。

一部抜粋での紹介ですが、寄せられた声に対して「先生に相談してみてください」と示している考えが多数見受けられました。

内容を見ると、確かに、先生に話せば解決できうることや学校で解決すべきことが大半です。

ですが、先生に気軽に相談できる子ども達はどれくらいいるでしょうか?

「第8回川崎市子どもの権利に関する実態・意識調査」において「あなたは、困ったり悩んだりしたとき、誰かに相談したいと思いますか」という問いに対し、「したいけどできない、したいと思わない」が計22.6%。

その理由として「したいけどちっちゃいことでめいわくをかけるかも」「こわいから」「きんちょうする」とあげています。

学校の先生に相談しづらいからここに勇気を振り絞って声を寄せてくれている子がいると思います。

その声に対して、「学校の先生に相談してください」と連発するのは、結局、大人は声を聞いてくれないんだな、と失望させるのではないでしょうか。

先に紹介しました、声①~④について、子ども達は先生に相談することができ解決が図られたのか、伺います。

 

(こども未来局長)

「子ども・若者の“声”募集箱」についての御質問でございますが、

 本制度は、子どもの意見表明、参加を支援する取組の 一環として、子どもたちが市に対して気軽に思いや考えを伝えることができる仕組みづくりに向け、昨年9月か ら本格実施したものでございます。

本制度は、匿名による投稿も可能としておりますことから、寄せられた意見のうち、学校名等の記載があるも のにつきましては、関係部署と適宜共有し、情報収集や課題解決に向けた取組を実施してきたところでございますが、学校名等の確認ができないものにつきましては、 本市の業務や市政運営の参考にするとともに、いただいた意見に対する本市の考え方や取組をまとめた資料をホ ームページに掲載することなどを通じて、 子どもたちへ のフィードバックに取り組んできたところでございます。

 

(山田)

紹介した4つの声が解決できたのかは不明確ですが、寄せられた声の中には気になるものもありました。

子ども達のSOSを見逃すことはしてはいけませんので、任意で学校名の収集をした方が良いのではないでしょうか。

本取組は「市長への手紙」のように、一人一人に応じる制度ではないですが、現在の内容ですと、せっかくの取組が逆に子ども達を失望させることになります。

「市の考え」の内容や収集情報の内容、声への対応方法等を改善すべきと考えますが、見解を伺います。

 

(こども未来局長)

「子ども・若者の“声”募集箱」についての御質問でございますが、

本制度は、市ホームページやGIGA端末などから意見を投稿できるようにしており、いじめや個人的な相談については、 専用の相談機関へ案内できるページへのリンクを「子ども・若者の“声” 募集箱」のトップページ に掲載し、子どもや若者が直接相談できるようにしているところでございます。

なお、SOSが投稿されることも想定しており、 必要に応じて所管課から関係機関等につなぐこととしております。

また、本制度は、子どもや若者が市に対して思っていることや感じていることを把握し、広く子どもたちの思いや考えを受け止め、市政運営の参考意見とすることを目的として実施しておりますことから、子どもたちにとって、自分たちの声が尊重されていることを実感できる仕組みであることが重要であると考えております。

今後につきましても、引き続き、寄せられた声を関係部署と共有し、施策や取組への反映について検討するとともに、「市の考え方」として市ホームページに掲載する内容についても趣旨や理由が伝わるよう表現を工夫、改善し、投稿した子どもたちへのフィードバックを適切に行えるよう、庁内で連携して取り組んでまいります。

 

(山田)

本市の目的と子ども達の期待がかみ合っていないと時には失望させる危険性がありますので、慎重に表現等の工夫や改善をしていただきますようお願いします。

今回寄せられた声を鑑みると、「学校の中で子ども達が声をあげづらい」という事が推察でき、寄せられた声の傾向からその課題を把握し改善していく事も、子ども達の声が市政運営に反映されたといえます。

以前に、制服の見直しについて一般質問で取り上げた際に、「制服の不便に関する声があがっていない」=「要望がない」という見解であったので非常に残念でありましたが、改めて「学校の中で子ども達が声をあげづらい」という課題に対応していくべきと考えますが教育長に見解を伺います。

 

(教育長)

子どもたちの声の受け止めについての御質問でございますが、

児童生徒が、安心して生き生きと学校生活を過ごすためには、教職員が児童生徒一人ひとりの声に耳を傾け、 共感的に受け止め、 内面にも寄り添う姿勢を示すことが大切であると認識しております。

各学校においては、相談・支援体制の充実に努めておりますが、 全ての子どもたちが自分の意見や思いを素直に述べることができるよう、更なる環境づくりに取り組んでまいります。

 

(山田)

本取組で自分の声が尊重された、と子ども達が実感できるよう更なる環境づくりへのご対応をお願いします。