(山田)

災害時のSNSの対応について伺います。
1月1日に、能登半島を襲った大地震で被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。
もし川崎だったらどうするべきなのだろうか、という観点で様々な情報収集をしていた中でSNSの対応について

課題と感じました。
2011年の東日本大震災、そして2016年の熊本地震において命を救ったツイッター投稿もあり災害情報の収集に

欠かせなくなったSNSですが、今回の能登半島地震では少しその毛色が違い、SOSのフェイク投稿があふれ、

消防や警察への通報や出動の事態もあり、それは人命救助のタイムリミットと言われる72時間以内に

1人でも多くの方を救わねばならない状況下で支障をきたす許されざる行為です。


ディスプレイ御覧ください。

 

 

投稿者の方のご許可をいただき紹介しますが、こちらはリアルの投稿です。

RT3.6万、いいねが7.2万、インプレッション2447万と多くの方に届きました。

この投稿が救助活動に繋がったかは不明ですが、1月1日の被害の全容が分からない中、輪島市では大変な事になっている、

という事が伝わる投稿でした。

 

こちらは、フェイク投稿です。

 

文章は本当に助けを求めている方のコピペ、写真は前述の被害の写真を使っており、リアルのSOSがフェイク判断されてしまう危険性のある許せない投稿です。
本市の総合防災情報システムにSNS投稿情報自動取込機能があり、そのファクトチェックはどのように行われるのか、SNSの情報を実際の災害対応にどのように反映させるのか現行の取組を伺います。

 

(危機管理監)

川崎市総合防災情報システムにおけるSNS情報の活用についての御質問でございますが、 
同システムは、災害情報を収取・管理・共有するために導入したクラウド型システムで、エックス、インスタグラム及び

フェイスブックに投稿された気象や災害、事件・事故等の情報につきましても自動で取得する機能を実装しております。 
特に、災害発生直後におきましては、災害対策本部が有する情報が限られることも予想されるため、SNS情報も活用して、被害等の状況把握に努めることとしているところでございます。 
一方で、SNS情報には誤りやデマなどが含まれている可能性も想定されることから、その活用にあたっては、情報の選別が重要になるものと考えておりまして、本市では、既に調査済みの情報や他の関連情報との整合を確認しながら、被害や被害のおそれのある事案について抽出することとしており、引き続き、迅速な災害対応に向けて対応力の向上を図ってまいります。

 

(山田)
誤りやデマに留意しながらSNS情報も活用して被害等の状況把握に努める取組となっているとの事で、災害時のSNSの活用は見直しが求められるのでは、と能登半島地震で感じました。本市においては情報量も膨大になることが予想され災害時に果たして人手でどこまでファクトチェックができるものか、と思います。
能登半島地震の状況を踏まえ、今後の本市のSNSの対応について見解を伺います。

(危機管理監)
災害時におけるSNS情報への対応についての御質問でございますが、 川崎総合防災情報システムによるSNS情報の取得にあたりましては、本市及び本市周辺の情報に限定するとともに、AIを活用して、他の災害に関する再投稿の可能性や、画像と位置情報からの推定、投稿本文と事案の整合性などをチェックすることで一定の絞り込みを行い、選別に係る労力の軽減を図っているところでございます。 
しかしながら、最終的には、災害対策本部の職員が判断することになりますので、大規模災害時に投稿される膨大な情報量において、円滑に災害対応へ繋げていくためには課題もあるものと考えております。 
AI技術の進展や他都市の事例も参考としながら、更なる精度の向上や労力の軽減に向けて取り組んでまいりたいと存じます。

(山田)
AIである程度の精度をあげてはいるものの、やはり判断をする職員の負担は相当なことが予想されます。政府においても対策を検討する有識者会議を設置するとの事ですので注視いただきながらも、人口154万人都市である本市がすべき対策について、取組を進めていただければと思います。
SOS投稿をする事について、そして善意で拡散をする事について、推奨するのか・抑えて欲しいのか、また、その方針について平時からの啓発も必要と考えます、見解を伺います。

 

(危機管理監)

災害時には地域コミュニティにおける助け合いが何より重要であると考え、日ごろから地域において顔の見える関係性を構築し、災害発生時にもまずご近所同士で安否確認ができる事が命を守る行動につながると考えております。 
また、災害時においては、情報発信・収集ツールを複数想定しておくことが有用であり、平常時から気軽に情報収集できるSNSの特性を理解し、活用していただくことが、災害への備えにつながるものと考えております。 
しかしながら、過去の災害においては、災害時にはデマにより社会の混乱などもみられ、情報を正しく発信する、情報の真偽を見極めることが重要となることから、適正なSNSの利用方法をはじめ、災害時における情報の発信や収集の注意点などについても啓発をしてまいります。

 

(山田)
本市としては情報発信・収集ツールとしてSNSの活用はして欲しい、との事で、その活用に関する平時からの啓発が必要になってしまったと能登半島地震で改めて感じました。
災害時の適正なSNSの利用方法や情報収集・発信の注意点について、まずは整理いただきますよう、お願いします。