(山田)

こどもまんなか応援サポーターである本市の取組について伺います。

本市は、こども家庭庁の「こどもまんなか」の趣旨に賛同し、「こどもまんなか応援サポーター」として宣言をしました。

その宣言の下、川崎の街での生活がより健やかで幸せなものになるように子ども達の声を聞き、その声を反映させることは重要と考えますが、市長に見解を伺います。

 

(市長)

子どもの声の受け止めについての御質問でございますが、本市におきましては、全国初となる「川崎市子どもの権利に関する条例」を平成13年に施行し、子どもは権利の主体であり、大人とともに社会を構成するパートナーであるとして、「ありのままの自分でいられる権利」や「自分の意見を表明し、その意見が尊重される」権利の保障等を謳っているところでございます。

また、子ども・若者が、川崎市に対して想っていることや感じていることを把握するしくみとして、本市独自に取り組んでいる「子ども若者の“声”募集箱」では、昨年12月からの試行期間を含め、これまで400件以上の御意見をいただき、学校や公園に関することや、日々の生活に関する声などが届いているところでございます。

今後につきましても、「未来を担う子ども・若者がすこやかに育ち成長できるまち・かわさき」を目指し、子ども・若者の声をしっかりと受け止められる環境づくりに取り組んでまいります。

 

(山田)

ありがとうございます。

本市は子どもの声を聞く取組を積極的に実施しており、私は「子ども達はどう考えるのか、子ども達にとってはどうなのか」ということが大事だと考えておりますので、こどもまんなか応援サポーターと宣言をしたことを大変心強く思います。

そんな中、子ども達から「どうにかして欲しい」という声がいくつか寄せられていますので、以下、質問致します。

はじめに「学校給食の現状」についてです。

ちょうど1年前の令和4年第5回定例会において「黙食」について質問しました。

美味しい!と言っただけで怒られなくてすむような、本来の楽しい給食の時間に1日でも早く戻るように、との問いに、「黙食は不要であり、感染状況を踏まえつつ、子どもたちの健やかな心の発達にも配慮しながら、必要な対策を行っていく」との答弁でした。

コロナは5類となり、本市もコロナ以前の通常通りの日常が戻りました。

が、一部の学校では、未だに、「給食中に大声での会話は禁止、机の向きは一方向」という対応になっており、子ども達から、いつまで、ただ喫食をするだけの給食を続けないといけないのか、という声が届きました。

まず、給食中の会話に何かしらの制限がある、または、机の向きが一方向である学校の実態について見解を伺います。

 

(教育次長)

学校給食についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染症対策としての黙食の徹底や対面での会食の制限につきましては、文部科学省の通知において、5類感染症に移行後は、適切な換気の確保等以外に特段の感染症対策を講じる必要はないことが示されておりますが、各学校におきましては、新型コロナウイルス感染症のほか、インフルエンザの感染状況など、児童生徒の状況等踏まえながら、大声での会話を控える、机を一方向にするなど、その状況に応じた対応をしているものと認識しているところでございます。

 

(山田)

実態はある、という事で、大人はコロナ前の日常をすっかり取戻している中、子ども達が未だに制限の元生活している事、非常に残念です。

学校給食法第2条「学校給食の目標」は「学校生活を豊かにし、明るい社交性及び共同の精神を養うこと。」です。

本市が学校給食を通して子ども達に何を伝えたいのか、理解に苦しみます。

相談を受けた子の通う小学校は、机の向きは一方向ではあるが、「通常の大きさの声の会話だったら注意はしていない」との事でしたが、まず、通常の大きさの声、があいまいすぎて、子ども達は大人基準の大声と判断された際に注意されるのなら、しゃべるのはやめておこう、になります。

そして、「だったら校長先生が朝会で私たちに、給食中は楽しくおしゃべりしていいですよ、ってちゃんと伝えて欲しい」と言っていました。その通りだと思います。

コロナ以前の、本来の楽しい給食の時間に1日でも早く戻していただきたいですが、教育長に伺います。

 

(教育長)

学校給食についての御質問でございますが、文部科学省が作成した「食に関する指導の手引」では、給食の時間は学級担任等と児童生徒が共に食事をする時間であり、給食の時間における共同作業を通して、責任感や連帯感を養うとともに、学校給食に携わる人々へ感謝の気持ちなど豊かな心をを育み、好ましい人間関係を育てる時間とされており、給食時間を児童生徒同士が会話を楽しみながら過ごすことは、成長期の子どもたちにとって健康な心身を育む上で大変重要なものであると認識しているところでございます。

現在、各学校におきましては、児童生徒の感染状況などを踏まえながら対応しているものと認識しておりますが、今後の感染状況を注視しながら。給食時間が子どもたちの健やかな心身の発達につながり、安心して楽しく給食をとる場になるよう取り組んでまいります。

 

(山田)

小学校は6年間、中学校は3年間しかありません。

大人の1年と子どもの1年の尊さを同じに考えないでください。

授業中の班活動はやっていて感染症対策として給食時間のみ制限をかける根拠が見当たらない中、1年前は「感染状況を踏まえつつ」、今回も「今後の感染状況を注視しながら」という答弁で残念ですが、1日でも早く、本来の楽しい給食の時間にしてください。

次に、給食を食べる時間について、伺います。

本市の給食時間は「準備15分、食事20分、片付け10分」を基本時間配分として設定していますが、4時間目や給食準備の時間がのびたら、その調整として影響を受けるのが食事の時間です。ただでさえ20分と短いにも関わらず、短縮されてしまうことも多々あると聞きます。

大人の私でさえ20分を切ると食べきるのは苦労をする時間です。

また、令和4年度「中学校給食に関するアンケート」において給食を残す理由として「給食時間が短いから」と答えた生徒は、908人中354件と、約38%がその理由とあげています。

平成28年度の同主旨のアンケートよりその課題を把握していたと思いますが、この間の本件の対応について伺います。

 

(教育次長)

給食時間についての御質問でございますが、平成28年度の自校調理校4校による中学校給食実施時のアンケートにおいては、給食を残す理由として「給食時間が短いから」と回答した生徒の割合は、49.6%となっており、給食時間の確保の必要性を認識したところでございましたので、平成29年度の中学校給食全校実施前に配布した「中学校完全給食実施の手引き」では、食事時間を20分以上とるため「給食時間の標準例」を示すとともに、各学校給食センターが開催する給食主任会において、給食の運搬・配膳についての詳細な説明を行うなどの対応を行ってきたところでございます。

また、中学校食育担当者会においては、給食の残食削減を目的として、配膳方法の工夫等により給食時間を確保する学校の事例を紹介するなど、課題改善に向けた取組を推進してきたところでございます。

 

(山田)

課題認識と取組をしてくださってきておりますが、中々改善には至っていない現状と感じます。

給食時間が短くて食べきることができず、お腹を空かせて家に帰ってくる実態があるそうです。

給食を食べたいのに残さざるを得ない給食時間の短さに関しては、重要な課題であると感じています。

今後の対応について、見解を伺います。

 

(教育次長)

給食時間についての御質問でございますが、適切な給食時間を確保することは、給食の残食削減にも効果があるものと認識しており、中学校におきましては各学校給食センターが開催する給食主任会において、小学校におきましては食育担当者会において、それぞれ給食時間の確保について周知するなど、引き続き取組をすすめてまいります。

 

(山田)

とにかく20分は絶対確保する、そのためには例えば4時間目をのばさないように努めていただくこと等、改めて各学校への周知の徹底を、お願いします。

次に、制服の見直しについて伺います。

「親の代以前から変わらない公立中学校の制服について、夏は暑く現在の環境変化にあっていない、そして、可愛くない」という声が寄せられました。

変わらない制服、について、事前調査の結果、川崎市内の公立中学校において、過去にポロシャツやスラックスの導入といったマイナーチェンジや変更を一度もしたことがない学校は52校中12校。その内、近々に変更の予定もない学校は9校との事です。

ジャンパースカートタイプの制服の夏の暑さは想像に難くないです。

また、思春期の子どもが、素敵な制服を着たい、という思いを持つことは当然です。

株式会社トンボが2018年におこなった「学生服に関する意識調査」において、「制服の気に入り度」と「学校好き度」には相関関係が見られ、「制服を気に入っている人は、学校も好き」「学校を好きな人は、制服も気に入っている」という傾向が見られました。

本市には、性別による色や形の指定はせず、共通の色やデザインで、スラックス、スカート、ブレザー、ネクタイ、リボンなどの組み合わせは生徒の判断にゆだねる「完全自由選択制」を取り入れた中学校もあります。

子ども達が自分で判断する力も養える、好事例と考えます。

基本的には各学校が周年のタイミングや子ども達・保護者からの声に対応して変更を検討していくものとは考えますが、それにしても9校は今後も変更の予定がないとの事です。

子ども達は今の制服で不便はないのか、本当にこのままでいいのか、声や思いの把握をすることも重要と考えますが、見解を伺います。

 

(教育次長)

標準服についての御質問でございますが、現在、標準服の変更を予定していない学校につきましては、現時点で生徒や保護者からの意見・要望が挙がっていないものと認識しておりますが、今後も、学級会活動や委員会活動、生徒総会など様々な機会を捉えて、生徒の意見や思いを把握していくよう、各学校に働きかけてまいります。

 

(山田)

ありがとうございます。

各学校への働きかけ、お願いします。

最後に、川崎の街での学校生活がより健やかで幸せなものになるように子ども達の声を聞き、その声を反映させることについて、教育長に見解を伺います。

 

(教育長)

子どもたちの声を学校生活に反映させることについての御質問でございますが、児童生徒が、自分の意見や思いを素直に述べることができ、その意見が反映されるような環境づくり、仕組みづくりは大変重要であると認識しております。

各学校では、日常的な学級活動や授業等において、児童生徒の声に耳を傾けるよう努めているとともに、子どもたちの様々な意見や考えを、児童会活動や生徒会活動を通じて学校生活に反映できるよう取り組んでいるところでございます。今後も、教職員がさらに意識を高めながら、児童生徒が安心して自分の心の内を表現でき、子どもたちの思いが形となるような学校づくりに取り組むことが重要であると考えているところでございます。

 

(山田)

安心して自分の心の内を表現でき、子どもたちの思いが形となるような学校づくりの引続きの取組をしていくとの事ですので、楽しい給食にして欲しい、食べる時間をなんとかして欲しい、制服を変えて欲しい、といった子ども達の声が届いております、反映をしていただきます様、お願いします。

冒頭市長からもご答弁いただきましたが、パートナーである子ども・若者がすこやかに育ち成長できる街として「子ども達はどう考えるのか、子ども達にとってはどうなのか」を大事に、「こどもまんなか」の取組をお願いします。