(山田)

はじめに特色ある学校について伺います。

来年、市政100周年を迎える本市ですが、教育政策は、過去に様々な議論や検討を重ねて、今の形があります。

今も昔も共通している事は「子ども達にとってより良い教育の形とは」という多くの人の思いであります。

川崎市は多様性があり、「カラーズフューチャー」を掲げる素晴らしい街です。

大切な「教育」においても、その多様性を認め個を伸ばす取組をしていただきたい、と思い、今回は「特色ある学校について」過去の議論等も交えながら質問させていただきます。

まず、本市の特色ある学校について伺います。本市の施設の学習環境に特色ある学校例として、オープンスペース型教室を実施している市立学校が複数あるとの事でした。ディスプレイご覧ください。

こういったものがオープンスペース型の教室、という事で、

オープンスペース型教室を採用した理由と取組の成果の検証ならびに全市展開について伺います。

 

(教育次長)

オープンスペースについての御質問でございますが、はじめに、採用した理由についてでございますが、旧来の授業形態にとらわれず、個に応じた指導、体験的な学習や問題解決などを効率的に実施することを一つのねらいとして、例えば、はるひ野小中学校におきましては、グループ学習や学年単位での活動の場とするため、教室と連続した位置に、また、小杉小学校におきましては、自由な空間の確保、生活科や図画工作などの活動の幅を広げることを目的として、教室の周辺にオープンスペースを設置したところでございます。

次に、取組の成果等につきましては、オープンスペースの設置により、多目的な活動の場として子どもたちの活動の幅が広がった一方で、壁面が少ないことによる遮音性の確保や、学級としての一体感が薄れる傾向がみられるなどの課題がございます。

今後につきましては、増改築などを行う場合に、多様な学習活動などの学級運営を支えられるよう、学校等と十分な調整を行うことや、基本計画等を策定する中で検討する必要があると考えております。

 

(山田)

ありがとうございました。

成果も課題もあり展開は検討が必要との事ですが、旧来の形態にとらわれない試みは評価する所です。

このように先行事例からその展開を検討する

事は重要と考えます。

はるひ野小中学校について、平成20年第5回定例会(12月04日)にて、「はるひ野小学校及び中学校の小中連携の取り組みの成果が認められ、小中連携教育の一層の推進と全市的な展開を図ってまいりたい」という答弁があり小中連携教育の推進がはじまりました。

制度導入から約15年が経ち、この間、成果として中1ギャップの解消や不登校生徒数の減少を挙げていましたが、現在における成果について伺います。

 

(教育次長)

小中連携教育についての御質問でございますが、平成21年度に各中学校区に「連携教育推進協議会」を設置し、組織的・継続的な連携体制を整え、平成22年度より全市立小・中学校において、小中連携教育を実施してまいりました。

各中学校区では、小・中学校の教職員が合同研修や情報交換を行い、GIGA端末の活用状況の共有や、登校支援が必要な児童生徒についての情報共有、授業参観後の研究協議などにより、発達段階に応じた指導の改善に役立てているところでございます。

引き続き、中学校への進学において、新しい環境での学習や生活へスムーズに移行できるよう、小中9年間の学びの系統性を確保し、小学校から中学校への接続を円滑化するための小中連携教育の推進を図ってまいります。

 

(山田)

ありがとうございます。切れ目ない教育支援は重要ですので、引き続きの推進をお願い致します。

次に、学校教育における民間活用について伺います。教育に民間活用を導入する自治体もあります。例えば、佐賀県武雄市では人気の学習塾「はなまる学習会」と官民一体型学校の取組を実施、また、校長の民間登用、という事例も聞きます。

本市においてはこの2つのような取組を検討した事はあるのか、また、本市の民間活用の取組と成果について伺います。

 

(教育次長)

学校教育における民間活用についての御質問でございますが、はじめに、本市の事例についてでございますが、武雄市と同様の取組を検討したことはございませんが、教員出身でない者の校長任用につきましては、本市行政職員の任用した実績が3人となっております。

次に、教育活動における取組と成果につきましては、児童生徒へのきめ細やかな支援や、専門性を生かした指導体制の充実へ向け、様々な場面で民間の力を活用しているところでございまして、例えば、ALTの配置では、英語の授業に参画し、活発なコミュニケーションの機会等を設けることにより、児童生徒の英語学習への意欲や関心が高まり、また、教育活動サポーター等の配置では、学習活動の支援や介助等の充実につながるなどの効果があみられるところでございます。

 

(山田)

武雄市の様な取組の検討はないとの事ですが、他都市の先行事例など研究いただきながらより良い民間活用を進めていただければと思います。

次に、学校選択制について伺います。

住所によって指定された通学区域だけでなく学区外の学校も選択できる制度で、平成9年に旧文部省から通学区域の弾力的運用に関する通知があり、大体平成13年から17年頃に東京都各区を中心に広まっていきました。

本市においても、平成14年頃から検討が始まり当時は前向きでしたが、平成16年頃から「しない」という意思が明確になり、平成17年の「先進都市の成果や評価、課題等について情報収集を進める」という答弁が議会での最後の議論となります。

まず、学校選択制の過去の検討について伺います。

 

(教育次長)

学校選択制についての御質問でございますが、本市では、学校を取り巻く環境の変化に対応し、子どもたちにとってより良い教育環境を目指すものとして、平成14年度に設置した「小・中学校の適正規模・適正配置検討委員会」や、平成15年度に設置した「かわさき教育プラン策定委員会」等において、メリット・デメリットの整理や、他都市の動向などを研究しながら、検討が行われたところでございますが、地域社会との結びつきを大切にしながら、それぞれの地域の特色を生かした魅力ある学校づくりを進めるため、学校選択制の導入は行わなかったものでございます。

 

(山田)

先進都市が制度を開始してから大体20年程経ち、制度としては成熟し、成果・課題が見える様になりました。

今回、東京各区・政令市を中心に実施している23自治体に調査票を送り、メリット・デメリットを教えてもらいました。

デメリットでは、生徒数の偏り、家庭と地域との関係性の希薄化、手続きや管理の煩雑さ、を挙げていました。

メリットですが、子どもが自ら選択した事による意欲の向上、教職員や学校関係者の意識の改革、そして大半の学校が挙げていたのが、「学校の個性化と特色ある学校づくりの促進」でした。

平成17年以来の議会での議論という事で、令和5年の現代においては「学校選択制」をどの様に考えるか、見解を伺います。

 

(教育次長)

学校選択制についての御質問でございますが、本市では、これまで地域とともにある学校づくりを進め、キャリアの在り方生き方教育の推進や、地域の寺子屋事業など、地域に根差した教育活動や、地域ぐるみで子どもたちの学習や体験をサポートするしくみづくりなどに取り組んでいるところでございます。

学校選択制の導入に当たりましては、学校と地域との関係を考慮するとともに、地域に根差した教育活動を積み上げてきた実績や、本市を取り巻く状況を踏まえながら、慎重な検討が必要と考えているところでございます。

 

(山田)

事前のやりとりで、先進都市の研究は特にされていないとの事でしたが、制度について評価をしている先進都市もありますので、情報収集など検討いただければと思います。

次に、学校評価の在り方について伺います。

これは、平成14年に自己評価の実施と結果の公表が努力義務化され、保護者等に対する情報提供を積極的に行うことが示されたことにより始まった、特色ある学校づくりのための制度です。

本取組について、何点か、改善していただきたい点がありまして、質問致します。

まず、公表の仕方についてです。

各学校、様々な機会を捉えながら公表を実施している所ですが、やはり学校HPでの公表、は徹底していただきたいです。

その際には、学校経営計画と学校評価はセットで公表すべきと考えます。

私は以前より、学校HPは保護者や地域に学校を知ってもらうためにも、情報のプラットフォームであるべき、とお伝えしています。Cmsの導入

現在、学校評価をHPで公表している学校は小学校で約77%、中学校で89%、公表しているが最新ではない(更新がストップしている)学校は小学校で14%、中学校で23%です。京都市では小学校中学校共に学校HPでの公表は100%を達成しています。先生方が労力をかけて作成した学校評価シートです、より多くの方に見ていただき有効なものになるように、お願い致します。

また、HPに公表している学校評価の内容は、学校によって様々です。

ディスプレイお願いします。

自己評価報告書を掲載している学校、

学校によっては独自のまとめ方、

考察なしアンケート結果のみの場合

そうすると、外部からみた時に、学校それぞれの特色が把握しづらいので統一フォーマットの掲載をしていただきたい所です。

そのフォーマットですが、

数値化する事により学校ごとの特色が非常に分かりやすいので本市でも数値化を取り入れて欲しいです。

平成14年より開始した本制度について、公表方法HP掲載の徹底、学校経営計画と学校評価はセット、公表は自己評価報告書は掲載する)や評価の数値化といったブラッシュアップを検討いただきたいですが、見解を伺います。

 

(教育次長)

学校評価の在り方についての御質問でございますが、本市では、平成20年度から、全校において自己評価を実施し、各学校が設定した目標の達成状況や、達成に向けた取組の適切さ等について評価し、PDCAサイクルに基づきながら、学校として組織的・継続的な改善を図っているところでございます。

保護者、地域住民等から理解と参画を得て、地域とともにある学校づくりを進めるために、保護者のみならず広く地域住民等に伝えることは重要であると考えておりますので、自己評価報告書を含めた学校評価の結果等につきましては、学校ホームページへの全校掲載に向けて働きかけるとともに、他都市の事例も参考にしながら、より分かりやすい様式等について検討してまいります。

 

(山田)

ありがとうございます、宜しくお願いします。

本市では素晴らしい取組を様々してきました。その取組を時代に合わせて変化させながら子ども達の多様性を認め個を伸ばす教育により一層力をいれていただきたく、最後に、本市の目指す特色ある学校について、教育長に見解を伺います。

 

(教育長)

本市が目指す学校の姿についての御質問でございますが、予測困難な時代の中で、誰もが夢や希望を抱いて、多様な個性、能力を発揮し、充実した人生を主体的に切り拓いていくことができるよう、必要な資質・能力を育むことが重要であり、これからの社会の在り方として、多様性が尊重され、支え合い、高め合いながら共に生きるまちづくりが望まれると考えております。

本市においては、児童生徒が社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性、持ち味を最大限に発揮しながら、自立して生きていくために必要な能力や態度を育てる「キャリア在り方生き方教育」を平成28年度から推進しているところでございます。

各学校が、児童生徒や地域の実態等を十分に踏まえ、教育活動を幅広く見直し、これまでの取組を価値づけ、創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開することで、川崎の教育をさらに充実させることができるよう努めてまいります。

 

(山田)

各学校が実態等を踏まえ教育活動を幅広く見直していくこと、大変重要と考えます。今後も、川崎ならではの教育活動がより良い発展をしていきますよう、注視させていただきます。