(山田)

次に、女性へのAEDの使用について伺います。
本市のAEDの使用について、平成29年からの使用件数は累計17件で、その男女内訳は不明との事ですが、

令和元年5月の京都大学等の研究グループの報告によりますと、

全国の学校の構内で心停止となった子ども232人について、

救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうか調べたところ、

小学生と中学生では男女に有意な差はありませんでしたが、高校生になると大きな男女差が出ていたとの事です。

研究グループによると、女性の服を脱がせることへの抵抗感から、

AEDの使用率に男女差が生じているのではないかと分析されていました。


AEDは電源を入れて2枚のパッドを素肌に貼りますが、服をすべて脱がせる必要はなく、

下着をずらして貼ることで対応できます。

また、パッドを貼ったあと、 その上から服などをかけて肌を隠すようにしても、AEDの機能に影響はありません。
しかし、このような女性に配慮したAEDの使用方法が、一般の人に十分に浸透していないと思われます。
抵抗感からAEDの使用をためらってしまう事を避けるために、

「必ずしも上部を全てはだける必要はなく、配慮の方法もある」、といった認識を一般にしていくことは重要と考えます。
ディスプレイご覧ください。

 


こちらは東京都多摩府中保健所の取組になりますが、「重要なことはAEDを1分でも早く使うこと」として、

女性への使用をためらわないように、と、すべて服を脱がさなくても使用できる方法を分かりやすくまとめています。


これはラミネート等してAEDにぶら下げて目につくようにしています。
また、目隠しとなる様な布を一緒にAEDに入れる事も例としてあげていました。

 

 



他自治体でも啓発チラシを作成し、HP等で女性へのAEDの使用について周知を行なっている

所もあります。
このような啓発の取組や講座・防災訓練等機会を捉えた周知、

訓練時に女性の人形を使うといった普段からの習慣づけによって、

AEDを女性へ使用する事の抵抗感をぬぐっていくことも重要と考えますが見解を伺います。

 

(健康福祉局長)

突然の心停止事例におきましては、対象者の性別にかかわらず、現場に居合わせた人が速やかに

AEDを使用することが、救命や社会復帰の点で非常に有効であるものと認識しております。
女性に配慮したAEDの使い方といたしましては、一部自治体において実施している普及啓発の取組などを

参考にしながら、今後の周知方法について検討してまいります。
また、講座や訓練等の機会を捉えた取組につきましては、これまでも市民救命士養成講習などの場に

おいて周知に努めていると伺っておりますが、引き続き関係局と連携を図りながら、

効果的な啓発活動を進めてまいりたいと存じます。
 

(山田)

本来は男女関係なく、とにかく1分1秒でも早くAEDを使う事が大事ですが、ほんの少しの配慮によって、

双方の抵抗感が軽減されるのだったらより望ましい事だと考えます。
今後の周知方法について検討してくださるとの事で、

ぜひ、効果的な啓発活動も進めていっていただければと思います。