こわいもんはこわいんです。 | 米国のにほんじん。

米国のにほんじん。

2004年に渡米。
米国の冷蔵庫の通称を持つひえひえのミネソタ州にひんやりと在住。
2 marriage, 3 kids, one full time job and 1 divorce laterの日々のことを、
つれづれなるままに日暮らしてきにメモ。

というわけでございましてー。

毎日がハロウィンづいているアメリカなわけでー。

べんべん。

私が教える日本語補習校でもクラスではすっかり『怖い話ブーム』がおこっております。

そこはうら若きガラスの10代達ですからして。


毎週毎週ギャースギャースと怖い話で盛り上がっているわけでございます。


『はーい、静かにい!こらあ!そこお!前向け前~!ボールはしまえ~!』


しかし前々から思っていたんだけれど、こっちの怖い話ってあんま怖くない。

いや、ハロウィンのイメージもすっかり『仮装大会祭り』と化しているからなのか

おばけもなんだかシーツなんてかぶっちゃって

『BOO!』なんていってかわいらしいもんです。


実は極度のおばけ嫌いの私。高いところも狭いところも地震も雷も火事も親父も怖くはないが

おばけはだめなんです。しかしアメリカのおばけならお茶の子さいさい。


それに比べて日本の怖い話って、『日本の怖い話』って言う響きだけでもう

怖い。


それだけでもう怨念こもってて祟られてて、日本間の菊人形の髪伸び放題のイメージがある。

そりゃあ自分の中のDNAが必然的に土着する『タブー』を覚えているからなのか。

古い日本家屋の和室に飾ってある先祖代々の

『葬式で使った写真』も、ああ怖い。


そういえばこの『写真を飾る』って米国では壁があれば家族の写真とかおじいちゃんおばあちゃんの

結婚写真とか、これでもかってくらいに写真が並べられ、どこの家庭にもプチ写真館エリアが存在するけれど、日本だとあんまりどかどか飾らないですよね。

昔一人暮らししているとき、実家の犬の写真を飾っていたら、

友達に『死んだの?』て聞かれたしなあ。

まだ生きてます


さて。

てなわけでアメリカのおばけをなめきっていた私。

久々に土曜日の夜がお休みだったので、前々からぜひ行こうと行っていた

『ヘイライド』に行くことにした。


このヘイライドとは、トラクターの荷台にみんなで乗り合い、夜の林の中を秋の夜空をながめながら

進むというもの。途中林の中からおばけに扮した人が荷台の人々を驚かすという

各地で行われるハロウィン時期の恒例イベントらしい。


一年ぶりにマフラーとダッフルコートを引っ張り出してきて、さっそく夜の農園へと向かう。

と。私のイメージとはうらはらにそこは祭り。

軽く300名は超えるであろう人がたかだかトラクターの荷台に乗るために長い列をなしている。


しかしそこは仕事は適当だが遊びには命をかけるエンターテイメントの国アメリカ。

待っている間もステージでは参加型コスチュームコンテストが行われ、

魔女やドラキュラ、スパイダーマンや鶏、はたまた冷蔵庫に紛争した人達が採点ポイントである

観客の歓声を集めるため、踊ったりはしゃいだり、大騒ぎである。

観客も観客で、列に並んでいようが

『オーイイェーエエエエエエエエエエエエ!』なんつって参加者に声援を送っている。

こういうとこいいね。アメリカは。


長い列を超え、入り口にたどりつく。どうやらトラクターに乗る前に

『呪いの家』を通らなければならないらしい。

普段は農園の倉庫として使っている建物はすっかりお化け屋敷になっていた。


この辺から実は私。びびりまくりでした。

ええ。乗り物とかね。乗っちゃうのはいいんですけどね。

乗ってりゃいいから。でもずんずん歩いていく型のお化け屋敷はね。

正直目を開けて歩いたこと、この27年間一度もないんですよ。

だから、お化け屋敷って私にとっては『暗闇の世界』でその暗闇から


『きゃあああああああああああああ』とか

『うへえええええええ』とか

『ばりばりばりばりばり(チェーンソー)』とか


聞こえてくる恐怖の館なんですよ。


アメリカの幽霊様ごめんなさい。ここのところあなたをなめきっていましたが

やっぱこええよ。


子供だましの『呪いの家』で本気で雄叫びをあげていた30近いアジア人の私。

人は本当の恐怖を知ったときはやはり母国語になるらしく。


『ちょっと!やめてえええ!やめええてえええ!かんべんしてくださいっ!』


とお化けに最後は懇願。お化けの方が不気味であったに違いない。


ヘイライド自体は満点の夜の星空の下、がたがたとトラクターに揺られ、とても

気持ちの良いステキな体験であった。

暗闇に浮かぶ林と遠くに見える煙突の煙。

けして見たことはないけれどどこかで見た『外国の秋の夜』


最後に無料の暖かい『アップルサイダー』を飲んでほくほくしながら帰ったのでした。


なかなかよい週末。