青のきのこ | 羊毛フェルトで紡ぐ不思議へんてこなものがたり♠︎アトリエ.バニラ

羊毛フェルトで紡ぐ不思議へんてこなものがたり♠︎アトリエ.バニラ

バニラのつくる、
不思議とヘンテコな世界。
羊毛フェルトや刺繍。
アンティークな素材でつくる、猫や動物、いろんなもの。
其々に
ひとつひとつの、
ものがたり。

10月に向けて、

今年も、きのこ。生やします。


棘棘の樹と、

バニラの手から生えてきた

不思議なきのこ。


今年もみて頂けるといいな。







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それから。


前回記事より

pinonpinonにお越し頂きました

皆さまへ。

改めてバニラからも御礼申し上げます🌟

届けて下さった全てのエピソードに

震える思いでした。


ここに書ききれない、沢山のこと。

ピニョンピニョンについては、

実はバニラも知らないことばかり。


皆様と一緒に驚いたり、楽しんだり

しております。


そのうちにまた、

新しいご報告ができますように。


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さて。

昨年11月、

前回の「きのこ展」でのこと。


岩国市出身で


地元、

城山のきのこに魅せられて

そのまま、きのこを愛し続け

世界を旅してきのこに会い


研究者になられた

「きのこ博士の牛島さん」と

お話する機会がありました。


一面に生えた

ベニテングタケの話では

バニラの頭は一気に絵本のなか。



ものすごくちいさな

「粘菌」「変形菌」の

タマジクホコリタケの写真とか。



拡大してあるけれど

1mmとかの世界なんだとか。

それがまた、

金属みたいな青で

不思議な美しさなのでした。




他にも

何かの写真でみた、青いきのこ。



自然にあるもの、そのままの

なんてきれいで不思議なんだろうか、と

しばらく見入っていた。



それからしばらく

バニラのきのこをつくろう、と

思いつつも


圧倒されたままになった。







きのこ展終わり、

次回のお誘いを頂いた。


そんな頃。

(次に向けてというよりは)


ふと

シルクスレッドできのこを作ったら

どんなのになるかなあ、が始まった。


まずは平面のもの。それから立体へ。




色々試作していたところ


ある方から

「シルクスレッドの立体きのこ」

というワードが出て、驚いた。


(み、見てたの??……)と、思った程

本気でびっくりした。




シルク糸や糸の粉を使った

「シルクスレッド」きのこ。



じゃあ、

「いつか出来上がったら、みてね」と

約束した。

それが「欲しいもの」ならば、

そのときに。






「いつまででも」と

待ち時間を添えてくれた、寛大な約束。



「約束」は、新たな熱をくれる。



上の写真はそんな約束からうまれた、

2本目のシルクのきのこ。






最初の

『収穫予約』(仮)の青きのこは出荷済み。


【空想的アンティークシリーズ】

「きのこ標本」の雨音茸。








どうかな……、

喜んでくれるといいな。


実物を手にした時、どうかな。

ずっと待っててくれたから。


そんな思いで、送り出した。



きのこの表面を指で撫でれば

布でも紙でもないような、不思議な心地。









青いきのこは、何処にあるんだろう。

きのこ博士に尋ねてみようか。


妖精の傘。小人の傘。

森の雨傘。雨音。雨粒。……


想像したら広がって

バニラの手から生えてくる、

色んな素材の青きのこ。


それはそれは、スローなペースで。





つくりながら、考えながら


こんこんと夢中になって

気がついたら何故か大汗かいている。




雨粒茸。











ロシアの童話「おおきなかぶ」

トルストイの。



幼い頃

おはなしもだけど

あの馴染みの挿絵は

外国の方が描いたのだと思ってた

佐藤忠良さんの絵。



いつだったか、

佐藤さんの

昔に書かれた文章を

知人が教えてくれて、読んだ。





じんわりと


そうだなあ。

そうなんだな、と涙が出た。


それを


何度も、何度も、繰り返して読んだ。


何度読んでも

本当に心底から

「わかった」

なんて言えない気がした。








込めたものは

透明だけど、みえるもの。


そうしているつもりでも


自分は

近すぎて見落としてやしないか

怖くなる。



滲んでくる、私の跡。

自分に真っ直ぐ、尋ねることは難しいな。











カナカナカナカナ…。

カナカナカナカナ………。


夏はすこし苦手だけど、

夕暮れの音がきれいだ。