『#愛されフード』奇妙なケーキ | 羊毛フェルトで紡ぐ不思議へんてこなものがたり♠︎アトリエ.バニラ

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バニラのつくる、
不思議とヘンテコな世界。
羊毛フェルトや刺繍。
アンティークな素材でつくる、猫や動物、いろんなもの。
其々に
ひとつひとつの、
ものがたり。

もうすぐ七夕だ。




さて。

はちみつバードの今年の企画。
『愛されフード』

バニラも、書いてみようかしらん。



この間、久々に
好みのケーキをみつけたので。





『キャラメルナッツタルト』

そのままの
ネーミングすぎて、潔い。


その隣街にあるお店は、
確か1年?くらい前に認識した。

「あー、ここケーキ屋だったんだ」
くらいの

お世辞にも洒落てる様子はない、
シンプルな店構えだ。

今までは
なんのきっかけもなくて
通り過ぎていた。



6月の父の誕生日と
私たちの結婚記念日が同日なので


たまにだから、いいかな…と
菓子でも
持って行こうか、ということに。
父は手術で胆嚢までも無くなったので
生活の(主に食事等)注意事項が多い。




突然の思いつきであった為
その店に
夫と入ってみることにしたのだ。



まあ、
それが夫とわたしの口に合った。

程よい甘味度のそれは、
食べ終えてすぐに
“もう一個くらい
ぺろりと食べられそう…“だと
思わせる潜在能力を秘めていた。

危険だ。





そういえば、

わたしはチョコレートも好きだ。
カカオ70%くらいが
1番好きだが

夫は肝臓の何たらかんたら…にと

高カカオポリフェノールのことを
聞いたらしく、
もっと「高カカオ」の方が
より効くのかも…
という勝手な推測により
夫は88%のものを常備し始めた。

彼曰く
『食事の前に1枚食べると良い』
らしいが、忘れがちだ。

「あっ!」などと聞こえると
食べ忘れたんだなー、とわかる。

『途中から食べたらどうか』と
聞いてくるが
わたしは教授じゃないので答えられない。






話を戻そう。

その店の菓子は
父と母の口にも合ったらしい。



「ケーキ」というワードで
ふと、幼い頃の誕生日を思い出し


母に切り出してみた。
わたしが多分、低学年?位の時。

誕生日のケーキのこと。

白いホールケーキ。
それは
生クリームのデコレーションで

わたしは
苺が乗っているものだとばかり
思っていたら

なにやら青紫色した、
何かもわからない粒が
苺の代わりに乗っていた。


幼いわたしは
“コレはなんなんだ……“と思って
尋ねてみたが

母はなんの頓着もなく
「それも食べれるから」
みたいな返事だった。

彼女は昔からかなりの鈍感力がある。


わたしは
“なんでお母さんは
何かもわからないものが乗った
ケーキにしたんだろう…“
という思考に囚われていて

ケーキが美味しかったかどうかの
記憶がない。


兎に角、青紫の小さな
かたまりの事を鮮明に覚えていた。


母曰く、
「忙しかったから覚えてない」そうだ。
確かに。
母との奇妙な食事の思い出は
他にも幾つかある。













大人になってから

あれは多分
『菫の砂糖漬け』だったんじゃないか。
そう推測している。





余談だが、
そのケーキには「アラザン」が
まぶしてあった。


わたしは幼い頃、
たまに祖父から「仁丹」を貰っていた。
銀の丸い粒のそれは
歯磨き粉みたいな味で、
何とも言えないのだが

たまにくれるので
貰うままに一応食べていた。




『青紫の何か』だけでも
持て余しているのに
なんでケーキに『仁丹』が。

何度
仁丹じゃない、と言われても
訝しんでいたように思う。




とまあ、こんなかんじで

あの時のケーキは忘れない。

仁丹については、同じよなこと
他にも居たんじゃないのかしらん。







『愛されフード』に、なってるのか??……

バニラの思い出と共に
一応
ここに入れて頂きたいと、思う。





親愛なる、はちみつバード様。

バニラより。