つくるひとに | 羊毛フェルトで紡ぐ不思議へんてこなものがたり♠︎アトリエ.バニラ

羊毛フェルトで紡ぐ不思議へんてこなものがたり♠︎アトリエ.バニラ

バニラのつくる、
不思議とヘンテコな世界。
羊毛フェルトや刺繍。
アンティークな素材でつくる、猫や動物、いろんなもの。
其々に
ひとつひとつの、
ものがたり。

わたしは、どちらかというと不器用だ。


(じゃあなんでハンドメイド作家に…)
皆、そう思いでしょうね。


運動についても、人並みどころか
「音痴」である。


バレーボールのサーブは
打った本人すらわからない場所へ
飛んでゆく。

ネットどころか仲間の背中に
当たる事もあるので

同じコートの仲間たちは
私のサーブを
振り返り気味に確認していた。


父にも協力を仰いでいた。
中でも「倒立」の課題。
自分では8割方上がっている筈の足を
父が(無理矢理)掴んでくれて成立する。
父に言わせれば3割なので
壁倒立とは言い難い。

目視している父が正しいのだ。
それでも父は
出来ない私を否定しなかった。

私以外の家族は運動神経が良い。


弟が小学生の頃、スケボーを始めた。
当然、すぐに習得した彼は
近所の空き地で楽しんでいた。

そこへ私が現れて「貸して欲しい」
などと言ったのだ。
弟は小さな声で「えっ…」と言った。
日頃の私の有様を知っているのだ。

明らかに(心配だなぁ…)とでも
言いたげな顔をしていた。

そして案の定、
片足を乗せたと同時にひっくり返ったのだ。

弟は最速で転んだ姉を心配し、
「お姉ちゃんはもう、やらない方がいいよ」
とだけ言い残した。

多分、自分の手には負えないと
思ったのだ。



因みに虫も大変に、苦手である。

この事については、
またの機会にお話しすることにする。



こんなふうに
苦手なものだらけのワタシが
「なにかをつくるひと」になった。


祖母がワタシにいつも言っていたこと。

「丁寧に、やってごらん」
「早く出来なくてもいい」
「間違えても、大丈夫」

祖母は、何でもできた。

おばあちゃんは、いいなー。上手だから。
ワタシは、出来ない。

そんなやり取りを、何度もした。

祖母は出来ないワタシを
絶対に馬鹿にしなかった。

作る過程や、出来た時の喜びを
沢山教えてくれたのだ。

同じ時間で、倍ほども
すらすらと出来る人も居るだろう。
手早い人も、覚えが良い人も。

ワタシはそうではなかった。
何をしても
習得するのが遅かった。

自分でも、それがわかっていた。
わかっていたけれど
「つくること」がやめられなかった。






今後のことは未定。でも「きのこ展」に向けて。




チップスの空き箱から作った
ファーマシーボックス。
クリアジェッソ(下地材)から塗ってもいいし。
そのままアクリル絵の具だけ塗っても。
塗り重ねてね。

縁には細いマステを。
黒に塗ればハットボックス風にも。



祖母が教えてくれた「つくること」



コロナは色んなことを変えてしまった。

祖母と電話で話をする。
「元気にしている?」
「元気よー♡」

たまに家の周りを散歩している、
祖母を見つけて嬉しくなる。

道端の、
ナガミヒナゲシが揺れている。

お隣のモッコウバラが
クリームみたいにモコモコとして。

道路の向こう側から、手を振る。


あれほど苦手だと言い続けても
祖母と一緒に親しんだ布や糸。


不思議なことだと、
そう思う。



「苦手」ということ。

このお話しの続きは
長くなりそうなので。


今日は、このあたりでね。





では、また。