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森茉莉は、しばらくするとまた読みたくなる作家です。
 
出会うべきして出会った『茉莉(マリア)・インワンダーランド』
 
先日、ブックシャワーを浴びに馴染の本屋さんに行き、呼ばれた本です。^^
 
著書『贅沢貧乏』はお嬢様から一転、市井の人となった茉莉が、生活を切りつめながら
「精神の貴族」として、その暮らしを書いたエッセイですが、
 
本書も森茉莉のエッセイ、インタビュー等から、人生をテーマにしたものをまとめて
上梓したものです。
(父・森鴎外、三島由紀夫、室生犀星、息子ジャックのことなどにも触れており、興味深いです。)
 
『薔薇の香いは菫ほどではないが、柔(やさ)しくて素直な、あどけない少女のようで
それでいて底の方に物憂いような、惑わしのようにつよい力で香(か)ぐ人の感覚に
迫るものがくぐもっていて、甘くてどこか恐ろしい香いである。』(本文より)
 
『皮膚にふれる水をよろこび、下着やタオルの楽しみ、朝起きて窓をあけると、
なにがうれしいのかわからないがうれしい。歌いたくなる。。。
卵をゆでると、銀色の渦巻く湯の中で白や薄い赤褐色の卵がその中で
浮き沈みしているのが楽しい。
そんな若い女の人がいたら私は祝福する。
生きている歓びや空気の香い、歓びの味、それがわからなくてなんの享楽だ。
なにが生きていることだ。』
(本書帯より)
 
森茉莉の文章は一見難解に感じますが、実は読むほどに奥深く、漢字も仮名もとても奇麗です。
 
事実、小説もエッセイも美しい言葉がふんだんにちりばめられ、レース編みのように繊細な
描写が贅な香りを漂わせます。
 
その「茉莉語録」が、私の琴線に触れ、こうして、いつの間にか、森茉莉の世界に吸い込まれ
てしまうのです。^^
 
読後も、しばらくは、夢見る乙女となります。(笑)
 
ちなみに一緒に購入した森田たま『今昔』も、美しいもの、ゆたかなものを感じる本です。
(森田たまは札幌生まれの随筆家です。)