
『天地明察』(角川書店)の著者、 冲方 丁(うぶかた とう)(34歳)さんが、
東日本大震災で被災し、奥様と息子さん(4歳)とともに福島市から
北海道十勝郡の池田町に避難されてます。
(池田町には冲方さんのお母様と妹さんが暮らしています。)
現在、 冲方さんは、池田町から25Kmほどの離れた帯広市内で
新たな活動拠点を探しているそうです。
冲方さんは、江戸時代の天文歴学者・渋川春海の生涯を描いた「天地明察」で、
吉川英治文学新人賞、2010年本屋大賞を受賞し、直木賞の候補作品にもなりました。
この本を書店で見かけたかたも多いのではないかと思いますが、囲碁棋士の名門に生まれながら、
和算に興味を持ち、後に日本初の独自の暦となる「大和暦」を作り上げていく渋川春海の
苦闘する姿が描かれています。
また、算術の天才とよばれた関田孝和やその他の忠清、保科正之、水戸光圀など
歴史の教科書にも出てる人物が春海を取り囲むように登場します。
私は、とても面白く読ませて頂きました。^^
。。。北海道新聞でインタビューされた記事に寄りますと、冲方さんは、以前、
「シュピーゲル」というSF小説シリーズで、放射能汚染された日本を
舞台にした作品を書いていたそうです。
原発事故を描いて、悲劇を予想していた冲方さんも、凄惨な事故に巻き込まれていく過程で
価値観が後戻りできないほど、揺るがされていく自分に気づかされ、小説家として、
東日本大震災から「生きる意志を紡ぐ」という巨大な主題を与えられたと感じたそうです。
今回の震災で、一生トラウマになるひとたちもいることを思うと、その苦しみの中にいる人の
祈りにも似た思いを物語として描きたいと、語っています。