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読書は脳を活性化させ、能力アップにつながると言います。

本を読むと前頭前野という脳の前部が活性化されるためだそう。
そこは注意力やコミュニケーションなどを担う部位なので、
鍛えれば注意力が増し情緒豊かになるそうです。(笑)
さて、私の脳は、、(笑)


森岡久元著「サンカンペンの壺」澪漂出版

この本は、海外の人物とそれにまつわる事柄を中心に
4篇の短編小説となっています。
主人公は商社マンです。
『サンカンペンの壺』
主人公深町は、30年前にタイのチェンマイへビジネスの先輩・坪井甚吉の
商用の旅に同行します。
この物語は、その時の体験と奇跡をもたらすというサンカンペンの壺との出会いのお話です。

深町は、同行したその旅で坪井がビルマで戦時中に日本軍のインパール作戦に参加した
生き残りであった事とその戦没日本兵の遺骨収集活動を行っていたことを知ります。

帰国前夜、深町は現地の案内役・中村にナイトクラブに連れて行かれ、そこの女たちと
宿泊しているホテルで夜を過ごす事になります。
その夜、女たちが帰った後、隣の部屋で坪井が経文を読誦している声を聞きます。

深町はその事が気になり、坪井に問います。
そしてとても不思議な話を聞く事になります。

その話は随分後に深町が感慨深く思い出す事に。。。

次の日、帰りの飛行機時間までの間、前夜を過ごした女たちの案内で一軒の骨董品店に行きます。

そこで、深町は、沙羅の奇跡というサンカンペンの壺と出会うことになります。
実は、その壺は、30年後、坪井と同じ年頃になった深町に思いも寄らない奇跡をもたらします。
私は、坪井さんが好きだなぁ~。
読み終ってから、そう思いました。
切ないけれどとても素敵な物語です。

戦争という壮絶な体験をした坪井が、
奇跡というべき生還を果たし、その後、
ビルマの地に残された日本兵の遺骨をどんな
想いで収拾してきたのか。。
。。その想いが胸にあつくこみ上げました。

坪井の心理が細かく表現されており、
その気持ちが非常によく伝わります。

それが当時の深町と自分とを交差させ、
坪井のこども世代の空虚さを詫びたい
ような衝動に駆られました。。。


旅から戻って、いつの間にかサンカンペンの壺は
本棚の片隅に置かれたまま30年も経ってしまうの
ですが、そんなある日。

「いまここに、おいでになってんねん」
と、坪井の言葉が深町に聞こえてきます。

その後、サンカンペンの壺に奇跡が起こるのですが、

その奇跡は、坪井の想いを起こさせたものだったのか、、、。
それともこの世の不穏の始まりを暗示したものなのか。。、
その解釈は、読者に提議されたような感じで閉じられます。

私の解釈ですか?勿論、前者です。(笑)

「過去現在未来一切の無限の数の死者たちが、
菩薩となってお釈迦はんの教えを伝えるために、この宇宙世界に
みちみちていてはるということやろな。。。。かぞえきれんほどの
菩薩が、ビルマの国境を越えて、おいでになってんねん。。。」

と文中にこのような坪井の言葉が載っていました。


以下の3篇の物語のあらすじは、わくわく亭さんが紹介して下さったものです。
この後の読後感想は(2)に続きます。

*「コンゴからのエアメール」
ある日アフリカのコンゴから届いた一通のメールが、怪しげなマネーロンダリングの提案をしており、
それを詐欺とわかっていながら、差出人の民族解放戦線という名称にひかれる日本人ビジネスマンの
心理の顛末。

*「新橋裏道のリリー・マルレーン」
戦争を知らない日本の若者が南ドイツからやってきた木訥な技師と数日仕事をするなかで、ドイツ人
技師のイタリア戦線での苛烈な戦闘体験と、彼が唄う哀切なリリー・マルレーンを聴く感動を描きます。

*「歌のゆくえ」
ビジネスで中国へ行って、現地のカラオケでなにかの歌を中国語で唄ってみたいと考えた主人公が練習
したのが『何日君再来』だったが、その歌はどのような背景でつくられた歌だったのか、その歌にまつ
わる友人である中国人一家の日中戦争時の運命を知ることになるという物語。