以前、昭和初期から30年にかけての
日本の映画が好き。。と記事にした事が
あったと思うのですが。

特に私は、小津安二郎の作品が好きです。
ですからDVDは幾度となく観ているのですが。。

その中でレンタルできない(近所のショップにはない)
どうしても、もう一度観たい作品があります。

それは、「一人息子」です。

この映画が小津監督の(映画)の基盤になったのでは
ないかと思われる作品だったからです。

「一人息子」
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小津安二郎が初めて挑んだトーキー映画として知られる作品です。

「人生の悲劇の第一幕は親子になったことにはじまっている」
という芥川龍之介のエピグラムで始まります。
いかにも小津が選んだキー・ノート。
挿入歌は、フォスターの「オールド・ブラック・ジョー」です。



この作品は1923年の信州が舞台です。

母ツネは、製糸工場の女工として働きながら
貧しいけれど女手ひとつで一人息子を育て上げます。

そんなある日、息子が通っている小学校の先生が訪ねて来ます。
成績の良い息子を中学へ進学させてはどうかと。。

とてもそんな余裕のないツネだったが考えた末、進学を決心し、
「これからの人間は学問がなくちゃ駄目だ」と息子を口説きます。
「きっと俺、偉くなるよ」という息子の言葉に母が涙ぐみます。
(私は、ここのシーンが泣けました。)

それから十余年、母は息子に会いに上京します。
(このあたりは、ちょっと「東京物語」と交差します。)

そして。。。

ツネが訪ねた息子の家には、既に妻と子がおり仕事も変わっていました。
ツネの期待はことごとく打ち砕かれ、息子の不甲斐なさを責めます。

息子は「もう一度やりなおす」とツネに約束し、ツネは信州に帰ります。

ラストシーンで工場の片隅に座り込む母が寂しい表情で、自分の一生は
報われたのか囚われたものだったのか。。と自問自答しているかのように
哀しいシーンで終ります。

小津の「家族」であることの宿命と悲哀を込めた作品と思います。

そういえば、小津安二郎は家庭を持ちませんでした。
ずっと母と二人暮らしです。

この「一人息子」は、小津作品の終生のテーマ「家族」
の基盤になったのではないかと思えてしかたありません。。

ちなみに母ツネ役は飯田蝶子さん。
私の記憶も薄らいでいますが(笑)

確か「いいだちょうこでございます」と
TVでギャグにされていたお婆ちゃまでした。


大好きな「東京物語」の撮影風景の写真です。
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小津監督が、こっち側に写っていますね。^^



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東京物語の大好きなシーンです。
尾道の浄土寺境内。
いっときは強い連帯感で結ばれている家族も
死や別れによってそれぞれが「ひとりぼっち」
になって行く。。
そんな人のありようが、、この二人のシーン
に込められているように思われます。

子供たちがそれぞれに帰った後、周吉が
隣の奥さんと窓際で挨拶を交わし、

その後、尾道水道を船が行きます。

このラストシーンは、忘れられないシーンです。