~チャンミンside~
僕の心配をよそに普段は今までとほとんど変わらないユノが恨めしい。
「あ、・・おはようございます。///」
今朝もユノ会いたさに偶然を装った待ち伏せ。
「ああ。」────って、それだけ?
よく見てないと分からないくらいの角度で口角があがって、──さっさと行っちゃったとか。
この一瞬のために一限がないのに早起きしてしまった自分が腹立たしい。
2階の窓から見下ろせば、玄関前で待ち構えた車に向かう背中。
僕には一生縁のなさそうなイタリア製のブランドスーツを嫌みなく颯爽と着こなすユノはやはり格好いい。
肌に吸い付くような質感のそれはただでさえモデル体型のユノをさらに引き立てていた。
「あ~あ、・・格好つけめ!」
モヤモヤをぶつけるように呟いたら、
────あ、こっち見た!////
さっきまでの冷めた瞳が、ほんのり熱を纏って。
くいっと片方の口角だけあげるのは照れてる証拠。
たったそれだけの事で舞い上がる僕は、ちょっと、・・というか、かなり色ボケしてると思う。
だって、──ユノが好きなんだ。
────コンコン。
「・・・。」
今夜は早く帰れるから、と言われて、取りあえずいつもの時間より早めに来てみたのに、・・・おかしい、部屋に居るはずなのに。
「せっかくのスコーンが冷めちゃう。」
ドアの前に立ったまま、───行儀悪いけどひとくち味見してしまおう。
あ~、・・ん、───って、わぁっ!!!
防音がしっかりしすぎて中の足音がまったく聞こえないから、突然開いたドアの先から乱暴に引っ張り込まれるのはいつも心臓に悪いんだって!
「どこにいた?」
「へ?」
「内線も、携帯も、・・繋がんなきゃ意味ないだろ?」
そんな事、そんな顔して言われても、僕にだっていろいろ用事が、・・なんて言い訳するとよけい怒るから何にも言わない。
その代わりにスッと差し出した湯気まで良い香りのスコーン。
「ふふん。・・スヒさんとね、作ってたんです!」
「ユノが好きだって聞いたから、・・って、わぁぁっっ・・・。」
─────無口の人はこれだから困る。
予告なしで行動にでてしまうから。
スコーンのお皿をヒョイと取りあげ、片手で僕を抱き寄せる。
その勢いでグッと近づいたユノの唇に集中しちゃって。
───コツンと合わさった額。
ドアップのユノは目を閉じて何だか面白くなさそうで。
仕方ないからそのままじっとしてた。
スッと離れて、一瞬だけ僕に重ねた目線を足元におとしながら、・・・
「───そんなに、・・かわいいこと言うな。」
また力強く抱きしめられて、僕もユノの背中に両手をまわした。
どうしてこんなに触れたくなるのだろう?
ユノの匂いが、体温が、───どうしてこんなに心地良いのだろう?
「ユノ、────好きです。」
ふっ、と苦笑いのユノが、───「また、かわいいこと言う。」と呟いて。
あ、スコーンが冷めちゃう、って一瞬頭をよぎった僕の顔中にキスの雨を降らした。
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いやぁ~、甘々ですねぇ(//∇//)←楽しい
でもそろそろ甘々には飽きてきちゃった頃合いでしょうか?^^;