翌朝、ユノと合流するという予定に予想通り…ミノの眉間には深い皺。
「でもさ、ほら?ミノの行きたがってたショップ、ユノしか案内できないんだよね。」
「……ユノんちの近くにすごい大きなCDショップがあってさ、ミノを連れて行きたいんだ。僕、ユノんちって、1回行っただけだし、…ユノがいないとやっぱ困るよ。」
思いつくまま、…何だかんだと理由をつける僕に、しょうがないな…、って顔のミノ。
「ふーん。…ユノさんちには1回しか行ったことないんだ。」
そうそう。バイトの都合で僕んちに泊まるんだってば。って、頭をブンブン縦に振ったら、「……そう。」って、ちょっと嬉しそうにミノが笑った。
────駅の改札をぬける。
肩をぶつけるように行き交う人々の雑踏の中、…イヤホンで曲を聴きながら、柱にもたれかかる長身でがっしりしながらもバランスのいい身体。
サングラスをしてても滲み出るオーラ。
隣でミノが「…ユノさんって無駄に目立つね。」って呟いたのが、何だか笑えて。
こちらに気づいたユノがサングラスを外してにっこりと片手を挙げる。
…一瞬、カッコいいって見惚れてしまった自分に慌てて首を振ったのをミノが不思議そうに見てるから…ハハッ。て笑ってごまかした。
ユノも不思議そうな顔。
……いいよ。気にしないで…こっちの話
ミノがあらかじめ調べていたショップへ行ったり、僕のお勧めのCDショップ行ったり、…良かった、ミノも楽しそう。
「なぁ、タワーの展望台行こーぜ!」
ユノの提案に最初は乗り気じゃなかった僕たち。
…なんか、おのぼりさんみたいだし。
「…!!ヒョン!!すごーい!!こんなに高いのは初めて!」
「うわぁ。……街がおもちゃみたい。」
はしゃぐ僕たちを呆れたように見ては、ククッ…と肩を震わせて笑うユノ。
ミノなんて、家族のお土産を買う、って言ってお土産屋にまで行っちゃったし。
───何本も走る線路に電車が、昔宝物だったおもちゃのようで。
「……たまには、いいだろ?」
両肘を手すりにあずけ、前髪をクシャっと掻きあげながらユノが微笑む。
「…うっ…。お、思ってたよりかは…いいかも…。」
ブーブー文句言っちゃった手前、バツが悪い。
「…俺さぁ、実はちょくちょく来るんだ。…ここ。」
「ほら、…嫌な事とかあった時、ここに来るとさ、…俺の悩みって小せぇな、って思うんだよな。」
うん。…ユノって、そうだよね。悩みがない人なんていないのに、自分の中で昇華して……そうやって常に前だけ見て歩いていく人。
「……ユノ。その時は……次は、僕も一緒に連れて行って。」
「………チャンミナ。」
ユノがあまりにも嬉しそうに僕を見つめるから……その瞳に吸い込まれそうで、…そっと、目を伏せた。
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あの超絶な格好良さ、あの輝き、…なんなの?もう!