大きなクヌギの木

                小島英理子

大きな クヌギの樹は あの赤ん坊の

おじいさんが 生まれた時に 植えられた

もう100年 ちょっとも あの場所に 

生えている樹だ

 

時が くるりと 巡り いつのまにか

よりそう様に あの 名もない

赤い 花が 

そっと 咲いている

それを 見つけると 何だか うれしい

                 終わり