また、台風で大雨です。

フィリピンだから、こういう感じで当たり前ですが。

 



雨が続くと、海沿や川沿いには

家の中で足元じゃぶじゃぶながら暮らす人たちがいます。

両脚内反足で生まれて来たEJ君の家が、そういう家です。

 

前回の台風後、大雨が続いた時は川の増水が予想され

避難所に五日いました。避難所と言っても、ただの学校の教室、

寝具があるわけでも、乾いた衣類があるわけでもなく

1日2回、インスタント麺や、コーヒーが支給されるだけ。

 

そこで、EJ君と育てのおばあちゃんは風邪をひきました。

かなりの肺雑音で、見ているだけで呼吸しんどいのがわかるほどの

状態。


EJ君は、うちのクリニック生まれです。生れた時、両足が内側向いているので、

母親はショック?で育てませんでした。

次の子供も、私がお産を立会ましたが、

同じく、口唇口蓋裂という外表奇形で、

母親は、ショックでそっぽ向いていました。

(ここでは口唇口蓋裂は、妊娠中に母親が転んだり、

適切でないことをした結果なると信じられています)

 

どっちのお産も何の医療的介入もなく

おそらく、病院より私のところは

プライバシーや母子の接触を大切にするので、

母性は立ち上がってくるはず。

 

「この子の奇形は、手術したら普通になる、大丈夫、あなたが悪いんじゃない」

 

細かい、心情の変化を言語化できる人達じゃないので、

どういう心持で、育児を拒否し(EJは結構初めから、ほぼおばあちゃんが育てました)

二人目は育てたのか?は分かりません。

 

でも、私が帰国している間に、

ママは、新しい男ができて、二人目も捨て蒸発しました。

 

おばあちゃんの横には咳込むEJ君と、口唇口蓋裂(手術済)

の弟君がいました。

 

家も、季節によって大波小波、

家族もやはり、大波小波だな・・・。

 

実母が急に消える、(時に実父)

本能的に生きることを、社会も「あーいるよね、そういうしょうがない人って」と

ある意味、認めてます。

 

だからって、子供が認めているわけでは絶対ない。

 

 

EJ君、兄弟の心のダメージは、私ではわかりません。

でも、

このばあちゃんがいることで、

彼らが守られているのは、間違いないです。

 

EJ君の手術の時も、(手術支援したのですが、術者が想定外に下手でした)

術後へんてこりんなギブスで固定されて

(でもいまだに足は異常です)

涙していたEJ君を支え、

同時に弟君も、かわいがっていました。

 

「ばあちゃん、僕の足、へんてこだって、靴も履けない

獣の足だって、学校のやつが言うんだよ」

泣き顔のEJ君がいたこともあります。

 

「言わせておきなさい、

揺らされないで、強くなりなさい、

足はゆっくりだけど、普通になるから、

だろ、父ちゃんの足(同じ内反足)も、

ばあちゃんが毎晩、毎晩、マッサージして伸ばしたんだ

あんたはいい子だから」

 

何度も

何度も

 EJ君に

「あんたはいい子なんだから」

「そんなしょうもないやつに、負けちゃダメだよ」

 

ばあちゃんの肺炎は少してこずっています。

高血圧もあるし、

疲労がとれていません。快方へは向かっていますが。

 

温めてと毛布を渡しても、すぐに孫たちに渡してしまう。

 

親ですから、そういうものですよね。

 

子供たちのためにも

ばあちゃんを元気に!を現状は目指します。

 

基本、子供たちは元気になるのが早いし、遊びがあれば楽しみます。

 

 

 

頂いた医薬品、助かります。ばあちゃんの肺炎ヘ。







新学期に向けて、文具類の貧困家庭への配布が始まめています。

学校指定の物じゃないといけないのが多数ありますが、

ちょいかわの文具や鞄が、子供たちの満足気な顔を作ります。

 


山仕事から水牛に乗って帰ってきた、EJくんのお父さん。

 

ご支援に心より感謝しております。