
誰も、本心をうまく表現できないものです。
表面に出てくる言葉が決して本心とは、限らないよなと思います。
ファロー四徴症で既に13歳になっているナオミちゃん。
マニラの下町(貧困街)で生まれ
母親は食堂などの接客業を現在もしています。
ママが帰宅しないので幼いナオミちゃんは隣近所の家で、
過ごすことも多かったようです。
学校へもきちんと通えていない、
そのうえで、コロナのロックダウンが2年続きました。
その時、本当に外出禁止が続いたので、
お客商売のお店は次々に廃業。
食べれなくなったナオミちゃん母子は
母の生家である半島へ戻ってきました。
手術を受ければ、丈夫な体になるよ。
みんなと同じように、走ったり、海に潜ったり、
体育の授業も受けられるよ、
何より、もうティーンズ13歳。
フィリピンという場所柄、妊娠も十分可能性はあるのです。
何人か、先天性心臓疾患の方が、飛込でここでお産をされて、
無事に生まれたは良いも、じわじわと息苦しさやらが始まり
聴診してびっくりして
そのまま病院で大事にならずに済んだ、という恐ろしい経験もあります。
いろんなことを話しても
ナオミちゃんの反応は「・・・・」
今なりたいものは
ティックトックでたくさんのいいねをもらう注目されること。
半島の学校の友達とも、仲良く上手く行っているけど
マニラでの友達のほうが、圧倒的に多く、楽しかった~と。
ママのこと好き?
と聞くと
「大嫌い」
そっかー。
ママのことが嫌いでも、祖父母や、心臓専門医(私に資金支援を頼んできた)
は
ナオミちゃんに手術を受けてほしいと思っています。
祖父母は、奔放な娘が生んだ孫への愛。
心臓専門医は、手術できなかった多数の子供たちが
どれほど、苦しみながら亡くなっていくかを
たくさん見て来られているから、
私も、心臓奇形の子供の死に、3例かかわったことがあります。
息が辛くっても、全身の酸素不足でも、
ぎりぎりまで動き続ける小さな心臓を
助けることは
できることはないのです。
苦しんでいる我が子を抱きかかえた母親は
「全然、この子眠れないのよ、すぐに目を覚まして苦しいって、何とか助けて!」
全身の筋肉を使って、必死に呼吸している小さな姿が
今も目を閉じれば、思い出されます。
もしかして、ナオミちゃんは生きていたくないの?
少しうれしそうに
「死にたいの」
「そう、、、でも死ぬもの簡単じゃないよ、
苦しくなってから、気が変わっても手術はできないから。
恋人出来て、これからって思っても、もう何もできないよ。
私は幾人かの手術を受けれなかった子供の死んでいく姿を知っている、
そして、とてもつらくって、誰も楽にしてあげれない、そして映画やドラマのようにきれいに死ねない。
二度と、こういう場面に立ち会わないで済みたいと思って、手術支援を始めたし
あなたにこういう経験をしてほしくないと思っている」
死にたいという子のために
資金を使う事はできないです。
でも、ね。
思春期の、親との関係性が今一の
少女の本心は、どうなんだろう・・。
最後には「手術したい」と口では言えていましたが、
これじゃ弱い。
また、チャンスを作ってお話してみる予定です。
ご支援いただき感謝しております!