脳内に多数の奇形を持って生まれたカティちゃんが、5歳迄成長した。歩けないって言われていたけど、自分で歩いている。
脳に元々あった腫瘍が、徐々に成長しているようで、見えていた視力が失われ、聞こえていた耳も聞こえなくなった。
眼に白い膜が張られて行く、呼んでも振り返らなくなって行く我が子を、日々みている両親の不安は、、想像できない。
日々、視力·聴力を失いながらも本人は
4年前に撮影したMRIの結果を、小脇にしっかりと抱え、クリニックの中でくるくる回ったり、手探りでいろんな物に触れている。
多分、今の好奇心に夢中になっている。
この先、何が彼女に起こるのか?
腫瘍に押されて、眼球が出て来る?
全く分からない。
先取り不安でなく、
今喜ぶ事を、この5歳児はおしえてくれている。
頭に触れられるのは好きじゃ無いけど、
足をマッサージすると、満面の笑みが浮かぶ。
空気を通じて、コミュニケーションする事を
彼女は知ってる。
くるくる楽しく回っているカティちゃんを
みていると、
やはり、今への感謝を教えられる。
24時間共にいないから、言える綺麗事だと
叱られるかもだが、、、
カティちゃんのしあわせを、祈る事は
できる。
「腫瘍を取り除く手術をしたらどうかしら?
視力が回復するんじゃ無いかしら?」
マニラには、そういう珍しいケースを手術するシステムが一応ある。しかし、手術というチャンスを受けられる児は少しだ。
何度も何度も何度も病院に通い、検査を受け、良い状態を維持できた児に、チャンスが巡る。
このシステムは医学生の教育、実践練習でもある。
術前は、コミュニケーションができたけど、
手術成功後(フィリピン的には成功)、目が覚めない児たちもいる。
「この子にマニラは、しんどいの。待って待って待って、いっぱい針を刺されて、刺されて、また1週間後、また、3週間後、、、でまた全部検査って、、、、」
だよね。
手術適応はないと思うよ。以前に医師からそう言われている。
ママの希望をへし折った言葉に、ママは再び泣き崩れる。
でも、カティちゃん、
その横でママの鞄に手を突っ込み
おやつを探す。
言葉では聞こえなくても、
天使はここにいる。
それぞれの人生の課題、
よろこびで乗り越えて行けば良いよ、
むくどり風の丘保育園から、頂いていたはちみつや青パパイヤ酵素が、カティちゃんへ渡された。
美味しいって分かるらしく、笑顔で帰って行った。
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