上の子供もここで生まれている顔見知り。
今日はティナさん、出生証明書の手続きで、不在。

診察時間にじん発産婦。
進行状況から、診察を終わらせるが先。

昨日、フェイスブックの方に、震災を前提に考えてお産ケアを書いたので、ティナさんいない、他の患者もいるって状況でどれが被災地なら可能か否か、やりながら考えた。


最初の陣痛はまだまだって感じ。
こういう感じになるまで、息を抜くよう、家族には腰をさするよう説明。

義母だけど、さするのは上手。
あまり話かけず、やってね〜、無理って言い出したら呼んで!

患者さん終わらし、ちょうどのタイミングで義母から呼び出し。

まだまだ身体が硬い。下肢の冷え。
排尿して貰い、側臥位で手を使って温める。ほぐす。

人払いの方が彼女は集中できるようで、その空気を感じた義母、黙って外に出た。

こういう、空気感を読むのはさすがフィリピン人のお母さん!

私と産婦。どちらも声を出さない。
ひたすら、赤ちゃんと子宮のリズムを拾おうと
私は心を静める。

赤ちゃんの位置は高いままだったけど、少しいきみが入り出した。

あ~多分全開した。


全開したら、頭高くても発作時はぐーといきみが入る。
鉄砲水のように、破水。雑巾で拭く拭く。

子宮が赤ちゃんに行ってらっしゃいを言ったような感じ。

そこから、数回の陣痛で赤ちゃん、誕生。

鼻腔内吸引も何もいらない。


 乾いた布があって、無かったら絞って使えばいい。生まれてすぐに母親のお腹に着地するから、風さえ吹き込ま無いなら、赤ちゃんも冷えない。お母さんが低体温でなくて良かった。

やっぱり、産婦が安心できる空間の確保。
雑音の排除。
そして子宮、赤ちゃんを信じる事、

ここに魔法の手なら言う事無し!

リネン類がきっと手に入り難い。
羊水拭いたりは、綿の布(タオルがあれば!)を何度でも絞って使えば良い。
きれいに羊水拭き取った赤ちゃんを包むのに乾いた布は置いておきたい。

母親が服を着た赤ちゃんに直ぐに、おっぱいをやりはじめた。
母性本能だろうな、断る事もなく、抱いて与える。

その後、家族がお祝いに大量に押し寄せた。
けど、顔みて大騒ぎの後引き取って貰った。
携帯電話で親類に生まれた報告している産婦。


最初はお母さんとだけのほうが、赤ちゃんびっくりしないよ。騒ぎすぎないほうが赤ちゃん落ち着いていれる、って話と
母親、義母からもおおいに同意が得られた。

動物は生まれてすぐの赤ちゃんを、周囲に見せず隠す。母親の保護下で育てる。

この環境が災害時でも作れたら、きっとやっていけるのだろうけど、なー。

クリニックという器の中だから、可能なのか、どうか。

いる物は極めて少ない、おさんだった。

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