ユニスに人工呼吸器をつけて2日目になります。
呼吸器を付けなければもう決着はついている状態でした。
人工呼吸器がある分、呼吸に体力を使わずとも酸素は入ってくる。その間に感染症と戦える。
痙攣があるので、フェノバールが時間ごとに入れられています。
痰が絡むのは肺炎ですから、当たり前にあります。痰が絡み、気道が狭くなれば、酸素濃度が下がって行きます。
ほぼ1時間毎ぐらいに吸引を受けて、生きている状態。
 
患者が昏睡のような状態であっても、意識はここにある。
そうWISH HOUSEのスタッフにも説明して、いつもどうり話しかけるようにお願いしました。
 
すると昨晩のユニスはこちらの声掛けに反応し、少し甘いもの(バイオ・ノーマライザー)を舌の上に少し乗せてやると、ちゅっぱちゅっぱと口を動かしはじめました。
「やっぱりお腹減っているんだ!」(いつもお腹を減らしていたユニスです)
飲みこめなくとも)何か味あわせてやりたい!皆がそう思い、香港から送られてきていたリンゴジュースをほんの少し、ユニスに口に綿花で注ぎました。
さすがユニス、飲む!
笑いかけるのに答えられなくても、ユニスの周囲に両親がいて、ジュリアン、ジャニーナ、シンディーといういつも自分を大切にしてくれた人たちがいるのを分かっているのが反応で分かります。
 
 
命にとって何がベストなのか?私にはいつも分かりません。
両親には経済的理由でユニスを病院に入ることすらできません。
彼女の生まれ落ちた運命を考えれば、余計な手出しをしなければ
とっくにユニスは現状の病気という身体的苦しみから
解放されていたことでしょう。
 
でも、助かる可能性があるなら、やはりできる事はしたいと思ってしまいます。
人工呼吸器をつけるとそこから回復しないことも多いでしょうが、回復する子もいるからやはり使われるのだからと自分を納得させてもいます。
 
入院するとその子だけに、ケアが必要になってしまい、他の兄弟の世話が手薄になります。
以前はそれを嫌がってたユニスの両親。
でも今回の入院は以前より一生懸命に、ユニスに殆どの時間を割きユニスのケアをしているように感じます。
 
熱を下げるために綿花に水をしませて、ユニスのリンパの辺りを何度も何度も濡らしているユニスの母親を見ていると
今回の状況も、実は誰かがしくんだのかもしれないと思える自分がいます。
 
ユニスは今この重篤な状況になって、初めて両親から心配されケアされているように感じるのです。
 
ユニス、しんどいよね、でもやっぱりがんばって欲しい。
何度も何度も奇跡的に生き抜いてきたあなただから!
今日も少しでも食べてくれるとうれしいなと思いながら、面会に行きます。
 
ユニスに毎日何本もの高額な酸素と治療費がかかっています。酸素を切ればおそらくユニスの命は終わります。
その判断を私ではできないのです。
わがままかもしれませんが、ご理解頂ければ幸いです。