第35回名古屋国際音楽祭
スウェーデン放送合唱団
日時: 2012年6月22日(金) 開場18:15 開演18:45
場所: 愛知県芸術劇場コンサートホール
合唱: スウェーデン放送合唱団
指揮: ペーター・ダイクストラ(Peter Dijkstra)
座席: 3階2列28番(S席\6,000)
【Program】
ヤーッコ・マントゥヤルヴィ: 『天体の組曲』より (歌詞: フィンランド民族抒情詩集より)
J. Mantyjarvi: Kosijat
太陽 Aurinko
北極星 Pohjantahti
武満徹: 『うたII』より
さくら (歌詞: 日本古謡)
島へ (歌詞: 井沢 満)
クロード・ドビュッシー: シャルル・ドルレアンによる3つの歌 (歌詞: シャルル・ドルレアン)
C. A. Debussy: TROIS CHANSONS DE CHARLES D'ORLEANS
I. 神よ、眺めるのはよいもの I. Deiu! qu'il fait bon regarder
II. 太鼓の音が聞こえても II. Quant j'ai ouy le tabourin
III. 冬よ、お前はただのやくざ者 III. Yver, vous n'estes qu'un villain
ヒューゴ・アルヴェーン H. Alfven
夕べ Aftonen (歌詞 Herman Satherberg)
そして乙女は輪になって踊る Och Jungfrun hon gar i ringen (歌詞: スウェーデン古謡)
セルゲイ・ラフマニノフ: 晩禱 (歌詞: ロシア正教会 晩禱 祈禱文)
S. Rakhmaninov: Vsenoshchnoye vdeniye
1. 来たれ、我が王、神に拝まん Priidite, poklonimsya
2. 我が霊(たましい)よ、主をほめ讃えよ Blagoslovi, dushe moya
3. 悪しき者の謀(はかりごと)に行かざる人は福(さいわい)なり Blazhen muzh
4. 穏やかなる光 Svete tikhiy
5. 今、爾の僕を逝かしむ Nine otpushchayeshi
6. 生神童貞女よ、喜べよ Bogoroditse Devo, raduysya
7. いと高きにある栄光は神に帰し Salva v vishnikh Bogu
8. 主の名をほめ讃えよ Khvalite imya Gospodne
9. 主よ、爾は祟め讃えらる Blagosloven yesi, Gospodi
アンコール
ヤン・サンドストレム 「ヘラジカの歌」
武満徹 さくら
ヒューゴ・アルヴェーン そして乙女は輪になって踊る
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今年もやってまいりました、名古屋国際音楽祭のスウェーデン放送合唱団のコンサート!よりよい音楽を目指すには、自身の練習も不可欠ですが、極上の演奏を聴くことも大切であります。本気モードで聴くために、一人でコンサートに行ってまいりました。
今年のスウェーデン放送合唱団は…!民謡や、各国の文化に注目した選曲でした。フィンランド語、日本語、フランス語、スウェーデン語、ロシア語と、色々な言語の曲です。そして、合唱団員も、スウェーデンの民族衣装っぽい衣裳を着ておられました。日本語以外、一切分かんないw スウェーデン語は、かろうじてドイツ語っぽいけど、ドイツ語はすっかり忘れてしまったw ですので、訳詞本を購入しました(笑) 多言語に加えて、難曲ばかりのため、少し、本当に僅かですが、粗さがあった気もしますが、それを指摘しても尚、最高の演奏だった思います♪
どれもこれも難しい曲ですが、素晴らしいハーモニーを聞かせてくれました。彼らの丁寧な歌い方、それでいて、はっきりした子音は、本当に感服いたします!彼らの歌声を聞くと、発声方法について常に考えさせられます。つまり、「ヴォーチェ・デ・フィンテではなく、やはり裏声が良いのではないか」と思うのです。2つを比較すると、
ヴォーチェデフィンテ:裏声に地声を混ぜるような歌い方
・ 芯のある力強い歌声になる
・ 音量が増す
・ 喉が力みやすい。→音程が取りにくい、粗さが目立つ
・ ソロがよく映えるような気がする
裏声:純粋な裏声
・ 柔らかい歌声で、響きが豊か→声が溶けあうと、ハモリが素晴らしい
・ 音程が取りやすい
・ 特に低音で、音量が小さい
というような特徴があると思います。私はもともとは完全な裏声で歌うのがデフォルトなのですが、かつて在籍した合唱団では、ヴォーチェデフィンテを意識すべく練習しました。ヴォーチェデフィンテの歌い方で、私はどうしても3つ目の悪い特徴が克服しきれません。そういう迷いがある中でこの合唱を聴くと、「やっぱり裏声がいいよね!」って思うんです。下のYoutube動画は、スウェーデン放送合唱団の演奏です。是非聴いてみてください。
大抵、外国の方が日本語の曲を歌うと、変なイントネーションがあるものなのですが、日本語の発音も違和感は全くなし。特に「さくら」の曲の解釈には脱帽です。不協和音のようでいて調和し、残響をも味わい、儚さを音として表現されているかのようでした。日本人合唱団よりも凄い演奏でござる。
ときに、アルヴェーンの曲は2曲とも凄く好き。スウェーデン放送合唱団の音源ではありませんが、「夕べ」と「そして乙女は輪になって踊る」のYoutubeの音源を貼っておきます☆