第二外科 5日目 | えりっき脳内議事録(えり丸)

えりっき脳内議事録(えり丸)

Diary and memo written by a pathologist.

今日もICUへ.鎮静をかけていた患者さんが,珍しく起きていた.
「おはようございます」と言ったら,返答があった.
彼らは,何のために生きるのであろうか,そういう根本的な疑問があったが,
意志疎通ができているという単純な事が素晴らしくて,
それだけでも生きるに値する価値があるのかもしれないと,少しいつもと違う考えが湧いた.

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回診が終わった後,私は卒後臨床研修センターの○○先生の所へ行った.
体調が優れず初期研修に耐え得る状態が分からなくて困っているということで,
研修先病院をどこにするかの相談へ行ったのだ.
先生は不在だったが,「それは大変でしたね」と折り返して電話を頂いた.
医療面接ルーチンとしての共感かなと一瞬思ったが,こんな時に変な深読みしちゃダメだ.
「助けて欲しい」と言えば,手を差し伸べてくれる人がいるんだね.
来週水曜の夕方に時間をとって貰い,相談に乗って頂く事になった.

大学院の時の教授も,研究の方が私に合うだろうという風に考えてくれたそうで,
私に声を掛けてくれたとか,母が言っていたような.真相は本人には確認してない.
この先生とは色々揉めたけれど,とても気に掛けてくれたのは事実だ.

地元に帰った際,当時の主治医だった先生に偶然出会った時も,
私に気付いて声を掛けてくれた.治療に難儀した患者だから覚えていたのだろうか?

大学に合格した時は,ただ単に有頂天になっていたが,今更ではあるが,
医者の世界で,普通の医者をやるにはかなり厳しい事を痛感している.

色んな人が手助けしてくれて,期待してくれて,応援してくれるので,
それに応えたくて,私はつい気力だけで頑張ってしまう.
なるべく,親・親戚・先生・友達の期待に添えるようにという思いはあるが,
でも…それでも…身を引く事も,選択肢の一つとして考えた方が良いと思いつつある.
気力だけで頑張り続けるのは,誠実な生き方ではあるけど,賢い生き方じゃない気がする.
気力だけで行けば…待っているのは破滅な気がする.
とは言っても,負けず嫌いな私は,文字通り身を粉に働くという選択肢も考えてはいるが.

この春は,恐らく病気自体の事で大阪大学の先生の元へ行くことになる.
何で母校の病院でしっかり診てないのかは,ややこしいので割愛(笑)
状態が良くなるように,,,切に願うのみだ.


今,とある方のブログのピアノ曲「即興曲 作品1番」を聴いている.
純粋な気持ちで作った曲なんだろう.とても透明感がある曲だ.
私の心模様と正反対で,聴きたくないような,
ずっと聴き続けていたいようなそんな気持ちになる.