高野山Vol.1 はじめに | えりっき脳内議事録(えり丸)

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Diary and memo written by a pathologist.

2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道(きいさんちのれいじょうとさんけいみち)」として,
熊野・吉野・高野山と,関連する参詣道が世界遺産に登録されたのは記憶に新しいかと思います.

今回は,初の高野山参詣.熊野三山は昔訪れたことがあり,吉野は未だ足を踏み入れていません.
今回改めて痛感したのが,紀伊半島って陸の孤島だな,ってことです.
下の地図を見て下さい.Aが私達の本拠地で,Bが目的地の高野山です.

えりっき脳内議事録(えり丸)-高野山

直線距離ではそう遠くないと思うのですが,アクセスが悪いっ.山地なので当たり前なんだけどね.
名古屋から車で行くと,東名阪・名阪国道を使い約5時間の道のりです.
公共交通機関では,まず難波(大阪)に出てから,南海電鉄とケーブルカーを乗り継ぐようです.

空海さんは修行の地として高野山を選んだことからも,
物理的にも易々とたどり付けない非日常を求めた故なのかな.

町全体が,寺ばかりで,降雨がおおいのか,苔むした建物や庭園が目につきます.
標高が1000メートル近くあり,しかも盆地なので寒暖の差が激しく,冬季は雪に覆われるそうです.
生きるのには厳しい環境だけれども,その代償に大自然を体感できる場所,かな.
(熊野三山より断然味わい豊かで,文化遺産も多く,オススメです.)

左の写真は,金剛峯寺から檀上伽藍に続く蛇腹道
この日29日は快晴で新緑が美しく(高野山は寒いので今が新緑の時期です),
空の青と,黄緑と赤のもみじが素敵です.足元の石垣が苔むして瑞々しいのも印象的.
高野山では,どこもかしこも杉苔が水を一杯に含み,苔むした建物・庭園・墓碑が多かったです.

右の写真は,言わずと知れた奥の院.年を重ねた巨大な杉林の間に,無数の御墓が乱立しています.
特に戦国時代の武将の五輪塔が多かったでしょうか.この様な風景が延々2kmほど続き,
その最奥に弘法大師空海の御廟があり,ここに入定したそうです.
入定とは,死んだのではなく,今も生きて禅を組み,万人のために祈っている事を意味するそうです.

えりっき脳内議事録(えり丸)-蛇腹道  えりっき脳内議事録(えり丸)-奥の院

奥の院のは墓地であり,むやみやたらに写真を撮ることを躊躇ったので,この1枚だけ.
鈴木憲夫の地蔵礼賛という曲がありまして,下調べで見聞きした情報から,この曲を連想しました.
曲中で地蔵は「ただのまぁるい石」とか「苔むした小さな石」と表現されます.
曲の終章に「永劫の時間の中に地蔵は地上の土になる」というフレーズがあります.
この様な風景をイメージしていましたが,それとは違う風景でした.
祈る人もいなくなってしまった地蔵ではなく,今も信仰の対象であるという所が最大の相違点でしょうか.

旅の詳細はまた後日~ 乞うご期待!