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アニー・サリバン 木南晴夏
ヘレン・ケラー 高畑充希
ケイト・ケラー 馬淵英俚可
ジェイムズ・ケラー 白石隼也
アーサー・ケラー 立川三貴
エヴ伯母さん 梅沢昌代
アナグノス先生 北川勝博
ヴァイニー 平田敦子
パーシー 上地春奈
医師・ハウ博士 青山伊津美
鈴木崇乃 染谷麻衣 畑山菜摘 宝井ひなの/山田メリノ
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出演者さんたちの、全身と魂で作品にぶつかっている舞台は本当に毎回、胸がいっぱいになり、体は家に帰っても心はケラー家に留まったまま。
ラストの有名なシーンの、あのヘレンの一気にポンと弾けて開けた世界の感覚に浸ったままでした。
とりあえず、二人の感想
【アニー・サリヴァン】木南晴夏
晴夏アニーは、当時のサリヴァン先生の実年齢20歳というのを等身大に伝えてくれました。
今まで年齢は知っていても、どうしてもイメージとして、30代~40代のそれなりに経験を積んだ、最初から”デキる女性”というの抜けなかったんですが、木南晴夏ちゃんの演じるアニーは、幼い悩みや葛藤を抱えながら、若さ故の直進する力でヘレンに立ち向かっていきます。
アニーの人間くささが、本当にいい。
アニーの未熟さも相まって、最後の奇跡が、更に奇跡に・・・そして湧き上がる感情も大きくなるのだと思います。
【ヘレン・ケラー】高畑充希
充希ヘレンは、出てきた瞬間から、一人空気が違っていました。
目の焦点はずっとあっていないのに、でも見えない目で一生懸命なにかを見ようとしている力強さが宿っていて、目が見えないのに目から感情があふれていました。
特にラストのシーン、あの一番大事なシーンは充希ちゃんの目の動きにぜひぜひ注目して頂きたいです。
そして手の動き。
指をさわしなく動かして、手の全体で物の造形をスキャンしていく動作も、触り方は遠慮がなく雑に見えるんだけど、一生懸命意識を集中させて必死に読み取っている姿がいつも鬼気迫っていてよかったです。
それにしても、どうみても20歳超えた女性には見えませんでした。
ちゃんと、少女でした。
大人が演じている少女ではなく、少女そのもの。
役者さんって本当に凄いです。
自分の年齢すら自由自在。(というほど簡単なものではないでしょうが)
鈴木杏ちゃんのヘレンも、菅野美穂さんのヘレンも、そして5年前の充希ちゃんヘレンも全部みておけばよかったです。
心底そうおもいました。
色んなヘレンをみて、その上で今回の充希ヘレンを全身で感じたかったなぁ。
【全体感想】
あと、1回目は距離的にちょっとわかりにくかったんですが2回目は舞台も近く、中央ブロックでみていたので、役者さんの表情も良く見えました。
特にケイト役の馬淵さん。
子供を想う母親の苦悩とか我慢とか決心とか、自分の感情との戦いとか、そういう複雑な感情全部、表情から読み取れて、このお話の主役はアニーとヘレンだけじゃなくて、ケイトでもあるんだなと思いました。
本当に、色んな場面で、ケイトの表情をみているだけで、言葉にならない感情がこちらにも流れてきて、涙が浮かびました。
あと、わんちゃん!!
もうなんか、客席としても生きているわんちゃんとして扱いますよね。
あれは凄いです。
動きだけでちゃんと感情がわかる!!!