【桜の季節に①。。。】
全国で桜の開花がすすみ
あちこちで淡いピンク色が
待ちわびた春がやってきたことをを告げています
桜は日本人にとって特別なものだということを
毎年、また年々強く感じます
この季節になると
私は毎年、2人の患者さんを
思い出します
ひとりは
アメリカ在住だったOさん
彼女は50代で子宮頸がんを患い
一時帰国して手術、術後補助治療後に
家族の待つアメリカに戻り経過観察をしていました
1年後、多臓器多発転移が見つかり
本人の強い希望で再帰国し
当時私が勤務していた大学病院に入院しました
Oさんが帰国を強く希望したのは
「最後に桜を見て死にたい」
という理由でした
入院されたのが2月。
桜が咲くまで間に合うかどうかという状態でしたが
その年は例年より早い開花で
何とか車椅子で病院の敷地内にある
桜の木の下でお花見をすることができました
「どこにいてもやっぱり日本人なのよ。
桜が恋しくて、家族に最後のわがままをきいてもらった。
この景色が見れて幸せ」
そう言って涙を流されました
その数日後、状態が悪化
アメリカからご主人、娘さん、息子さんが来日されました
長く会話をすることは難しい状況でしたが
「I love you」
の言葉とともにハグを交わし
最後のお別れをし、アメリカに帰国されました
今でもその時の光景を思い出すと
胸が締め付けられます
数日後、Oさんは病院スタッフに見守られながら
息を引き取られました
長年、異国の地で生活し
愛する家族と最期の時を共に過ごすことよりも
日本で桜を見ることを選んだOさん
正直に言うと、当時20代前半の若かった私には
Oさんの思いを理解することができませんでした
「患者さんそれぞれに色々な思いがある」
そう自分に言い聞かせて
少しの違和感を隠しながら
寄り添うことで精一杯でした
年月が経ち、当時のOさんの年齢に近づいた今
少しわかるようになってきました
もちろん家族は大切
でも、妻として、母として
役目を終える時が近づき
ふと一人の人間としての自分と向き合ったとき
見つけた答えが
人生の最後は桜を愛でて
日本人としてその時を迎えたい
それがOさんの選択だったのかなと・・・
看護師として、医療コーディネーターとして
患者さんの意思決定に寄り添う時
そしてこの桜の季節になると
必ずOさんの優しい笑顔を思い出します
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