32.④

美乃里「お腹すいた…」

(なんか食べたいなぁ…これだけ終わらせたら

買い出しついでに何か食べようかな)


美乃里は資料を見ながらパソコンに打ち込んでいく

1時間程経った頃、パソコンをパタンと閉め

大きく体を伸ばす美乃里

美乃里「終わったー16時か…買い物行って、夕飯の準備しなきゃ」


美乃里は守の家を出て、スーパーへ向かう

(守さん何食べたいかなぁ…)

RRRRRR美乃里の携帯が鳴る

(あ、ちょうど守さんからだ、何食べたいか聞いてみよ)


美乃里「はぁい」

守「美乃里さん、何してました?」

美乃里「今、スーパーについたところです」

守「そっか」

美乃里「守さん何か食べたいものありますか?」

守「それが…今日帰り遅くなりそうで…」


美乃里「そうなんですね、じゃあ、帰って温めて食べられるもの作っておきますね」

守「美乃里さんごめんね、ありがとう…」

美乃里「そんな、謝ることじゃ明日もありますしね」

明るい美乃里の声に元気が出る守


守「そうだな、明日は一緒に食べよう

美乃里は先に寝てていいからね

帰って、リビングで寝てたら起こしちゃうかもしれないからベッド使っていいからね」


美乃里「ふふ、はい、分かりました」

微笑む美乃里

守「じゃあ、帰り気を付けてね

もうすぐで暗くなっちゃうから早く帰ってね」

美乃里「はあい、守さんお仕事ファイト」


守「ありがとう」

守は優しく微笑み電話を切った


美乃里は買い物を終わらせ、帰り道、美味しそうなパン屋さんを見つけて

寄り道をしてから家路についた


美乃里「ただいま〜」

ガチャン


(あーなんか…胸がキュッてなる)

美乃里はエコバッグをテーブルに置き、夕日が差し込む部屋を眺める


(こうやってただいまって帰ってきて

たまにはおかえりって迎えてくれる人がいたり…

自分1人だけじゃない家だったり

誰かが帰ってきてくれるんだって…思うだけで

こんなにも嬉しくて締め付けられる…)


美乃里「普通…」

(はあ…多分これが普通なのかな…

普通でいい…普通が…いい

幸せでいたいなんてわがままは言わないから…

純粋に人を好きになって、恋愛して友達と沢山遊んで

仕事して…

ありのままの自分でいたい…

いつまでも過去に…

あの日に…囚われたままでいたくない…)


美乃里「はぁ…」

深く深呼吸する美乃里


美乃里「よし、作るか」

美乃里はキッチンに立つと手際よく夕飯を作っていく


作った夕飯をテーブルに並べ、テレビを見ながら食べる

(守さんと食べたかった…な)

食べた食器を片付け、お風呂を済ませる

お風呂から上がるとちょうど守からメールが届いた

ピコン


時刻はPM21:34

《美乃里さん、ご飯食べましたか?》


《食べました!守さんも帰ってきたら食べてくださいね》


《楽しみです、結構遅くなりそうなので

先に寝ててくださいね》


《ありがとうございます》


美乃里は携帯をテーブルへ置き、守へ手紙を書く


守さん、お仕事お疲れ様です

肉じゃがとお味噌汁、温めて食べてください

冷蔵庫に副菜が4種類あります!

好きな物食べてください


また明日…おやすみなさい。美乃里