31.⑤

急いでお風呂に入る守は勢い良くシャワーをかける

(危ねぇ…可愛すぎて抱きしめるところだった…

美乃里さん起きてるかな…

はぁ、俺…我慢できるか?どこまでなら良いんだ?

ってそんな事じゃないよな…

あー隣りで寝れたら…ってそれはそれで朝まで寝れねぇかも…)


守はお風呂から出るとリビングから聞こえるテレビの音で美乃里がまだ起きてると分かると嬉しくて口角が上がっていた


守「美乃里さん、上がったよー

眠くない?大丈夫?

おっ、いいね、俺もアイス食べよーっと」


(守さん、怒ってない…ああ、かっこいいなぁ…)

美乃里「うん、大丈夫

アイスありがとうございます、美味しく頂いてます」

ニコッと笑う美乃里


守は自分のアイスを持ち、美乃里の向かいに座る

美乃里「守さんチョコレートにしたんですね

私もチョコといちごで悩みました」

クスクスと笑う美乃里


守「ん」

スプーンですくったアイスを美乃里に差し出す


美乃里「え?いいの?嬉しい」

美乃里はあむっとアイスを頬張る

美乃里「んーチョコも美味しい、ありがとう

あ、いちごも食べますか?はい」

ニコッとアイスを差し出す美乃里

守も美乃里が差し出したアイスを食べる

頬を赤らめながら口角をあげる守


(あー自分からやったのに照れるわ…

可愛すぎ…だろ)


2人は他愛もない話しをしながらテレビを見たり

ゆっくりと流れる時間を過ごす


時刻は0時に差し掛かる

守「美乃里、寝室のベッド使っていいからね」

守は片付けをしながら話しかける

美乃里「私、少し仕事の書類まとめたいので

守さん寝室使ってください

私、ソファ使わせて頂きます」


守「じゃあ、美乃里が寝るまで待ってるよ?」

美乃里「いや、本当にソファでいいので

守さんはお仕事あるのでベッドでゆっくり寝てください

それに、守さんのソファもベッドと変わらないくらい寝心地良さそうなので大丈夫です」


守「本当?遠慮してない?」

美乃里「してないですよ、ありがとうございます」

ニコッと微笑む美乃里


守「じゃあ、先に寝るね」

美乃里「はい」

守「静かにしなきゃとか思わなくていいからね

好きに使っていいから」

美乃里「ありがとう、守さん」


守は美乃里に近付くと美乃里の頭にぽんと手を置く

守「ごめん、抱きしめてい?」


美乃里はびっくりした表情の後に照れた顔で下を向き頷く

守は優しく美乃里を抱きしめた


守「美乃里さん、俺は過去も含めて全部

美乃里さんのことを知りたいと思ってるから」

守はさっきよりも少しキツく美乃里を抱きしめて離す


美乃里「…ん」

美乃里は俯きながら返事をした


守「じゃあ、おやすみ

また明日ね」

守は美乃里の頭を撫でて寝室へ行く


美乃里「おやすみなさい」

美乃里は寝室へと入っていく守を確認し、会社の資料に手をつけた

明日の仕事の準備と共に資料を整理していく


さっきの守の言葉がグルグルと頭の中で回っている


(そうだよね…中途半端な記事だけの情報で…

守さんもきっと思ってる事は色々あるし、聞きたいこともあるよね…私がいつまでも逃げてるから…

過去も全部…か…守さんだったら救ってくれるってどこかで分かってる、本当は

だけどもし…冷たい目で見られたら?幻滅されたら?

可哀想な目で見られたら?

向き合わなきゃダメなの?このままじゃダメなの?)


美乃里は色んなことを考えていた

そのうち、机に突っ伏して眠ってしまった美乃里