31.③

2人は席につき、コース料理を堪能する

美乃里「守さんありがとうございます

こんな素敵なところに連れて来てくれて…」

外は都会の街が一望できる程、綺麗な景色が広がっている

美乃里は自分の席から何度も外を眺めた

守「僕も美乃里さんと来れて嬉しいです」


ふふっと2人は笑い合った


守「美乃里さん、とっても好きです」

守は真っ直ぐに美乃里を見つめていた

美乃里「えっ…///あ、あの…」

美乃里は急な守の告白に胸の鼓動が早くなる


守「ああ、その顔、誰にも見せたくない」

守は自分の顔を手で覆い、上を見上げた

(可愛いすぎる…)


美乃里もまた恥ずかしさから下を向く


守「美乃里さん、俺…嫌な奴なんです」


美乃里「え?守さんが?」


守「美乃里さんを誰にも取られたくなくて…

これでも結構必死です…」

下を向いて小声になる守

美乃里「ふふふ、そうなんですね全然、気付かなかったです…守さんってもしかして慣れてるのかなって思ってて…」

可愛いらしい守に笑みが零れる美乃里


守「あーやっぱり、そう思うよね…はあー」

深くため息をつく守


美乃里「嬉しいです、ありがとう」

ニコッと微笑む美乃里

守「そーゆう可愛い顔、ずるいっすね…」

美乃里「守さんもカッコよすぎるのずるいですよ」

ふふふと笑う美乃里


守「はぁー美乃里さん…ごめん

俺、めっちゃダサいこと言っていい?」

美乃里「ん?ダサいこと?」


守「それ、これに替えてもいい?」

守は自分の首を指差ししながら美乃里のネックレスを見て、テーブルに箱を出し美乃里の方へ置く


美乃里は箱を手に取り、開ける

美乃里「…ネックレス?可愛い…」

そこには控えめな1粒ダイヤがキラキラと輝く華奢で可愛らしいネックレスが入っていた

美乃里は自分のネックレスを触りながら守を見る


守「ほんと、ごめん…ヤキモチ妬いて…

誰から貰ったかも知ってるのに…心狭くてほんとダサいんだけど俺といる時だけでいいから…

それに替えて欲しくて…」

ふぅーと深呼吸しながら守は申し訳無さそうに顔を隠す


美乃里「守さん、ありがとう…本当に嬉しい

こんな素敵なプレゼントも守さんの気持ちも…

付けてもいいですか?」

美乃里は照れくさそうに守を見つめる


守「ん…」

守は席を立ち、美乃里の手からネックレスを取ると

美乃里の首へ付けた


美乃里は涼介のネックレスを大事にアクセサリーケースに閉まい、嬉しそうに首元のネックレスを触る


美乃里「嬉しい…」

ニコッと微笑む美乃里

それを見て守も優しく微笑む


2人はレストランを出て、自宅へ車を走らせた


自宅に着き、ドアを開ける守

守「どうぞ、美乃里のキャリーはリビングに置いたよ」

美乃里「お邪魔します」


守「適当に寛いでね」

美乃里「ありがとう」

(守さん…綺麗好きだなぁ…凄くシンプルで綺麗)

美乃里「守さんはいつから1人暮らしされてるんですか?」

守「んー学生の頃から1人みたいな感じで…

母親は体調が良くなくて、今も入院してるんだ

父親は居なくて、母親と2人だよ」

美乃里「そうなんですね…お母さんには会いに行ってますか?」

守「休みの日は行くようにしてるかな」


美乃里「え?休みの日って…今日は会いに行かれました?私のせいで会いに行ってな…」

守「大丈夫だよ、あははっ

美乃里は優しいね…はい、カフェオレでい?」

守はホットのカフェオレを渡しながら美乃里が座っているソファに座る


美乃里「でも…」

守「休みに何もすることないから行くだけで

たまには遊びに行ったら?って言われるくらいだから気にしないで」

美乃里「うん…」

守「気にかけてくれてありがとう」

守はポンっと頭を撫でた


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