守は近くのコンビニにまで行くと、
目の前のコンビニから出てきた人を見て歩く足を止めた
守 「美乃里…さん…」
守は小さな声で呟く
そこに居たのは部屋着でエコバッグを持って
コンビニから出て来る美乃里の姿だった…
美乃里は正面にいる守に気付くと一瞬、驚くが
どちらも避けられない状況を察してすぐに声をかけた
美乃里 「守さん?こんばんは、お仕事帰りですか?」
スーツ姿の守を見て笑顔で声を掛ける美乃里
守 「美乃里さん」
いつも優しく微笑む守だが、少し怒って見える
(守さん…怒ってるのかな…)
美乃里は慌てて連絡をしなかった理由を申し訳無さそうに話し出す
美乃里 「あ、あのずっと連絡返さなくて本当にごめんなさい…
少し1人で整理する時間が欲しくて…
あの、守さんの優しさに甘えてしまったら申し訳ないと…ッッ」
守は美乃里の話しを聞きながら少しづつ美乃里に近付くと美乃里の手を引き抱き締めた
突然の事で固まってしまう美乃里
守 「心配してました…凄く凄く
心配しました」
守の言葉に首を縦に振り頷く美乃里
(恥ずかしいな…守さんお酒飲んでるのかな…お酒の匂い…
私のドキドキ聞こえちゃいそう…どうしよう…)
そんな事を思いながら抱きしめられている美乃里は
下から守さんを見上げると、守さんと目が合う
守 「うっ///」
顔を真っ赤にして美乃里から優しく離れる守
守 「あ、あの…美乃里さん、ごめんなさい」
守は美乃里に頭を下げる
美乃里 「ふふふ」
優しく口元を隠しながら照れくさそうに笑う美乃里
守 「あの、今日飲み会でお酒をちょっとだけ飲んでしまい、あの…あんまり得意じゃなくて、その…お酒が…
ちょっと酔いが醒めてなくて…
美乃里さんを心配だったのは本当なんですけど
あの…
こんなつもりじゃな…本当にすみません…」
色々な言い訳を並べる守は自分の咄嗟の行動にとても申し訳無さそうに落ち込んでいた
美乃里 「ありがとうございます…
あの、守さんのおかげで元気になりました」
ニコッと笑う美乃里とは反対に
守の表情はどこか辛そうだった
守 「美乃里さん…」
(今、美乃里さんに好きだと伝えたら困ってしまうよな…
それにいい返事は貰えない…
今じゃない、落ち着け俺、今は美乃里さんの友達にならなきゃ…)
守 「あの、今度…涼介さんのところどうですか?
何度か涼介さんのご家族と連絡をとってるのですが
1ヶ月程経ってご両親も落ち着いてきたみたいで
美乃里さんが良ければ是非逢いに来てと仰っていました」
美乃里 「ありがとうございます
是非、伺いたいです」
守 「大丈夫ですか?無理してないですか?」
美乃里 「はい、大丈夫です
私も涼介に会いたいと思っていたところなので」
守 「では、来週の日曜日どうですか?」
美乃里 「大丈夫です。涼介の自宅の住所お聞きしてもいいですか?」
守 「あの、美乃里さんが良ければ一緒に行きませんか?
少し遠いですし…僕車出すので…
あ、あの、でも…あの全然断ってくれて大丈夫です」
守は勇気を振り絞り美乃里を誘う
美乃里 「とても助かります、ありがとうございます。こちらこそ守さんが良ければご一緒させてください」
ニコッと優しい笑顔でお辞儀をする美乃里
守 「も、もちろんです!宜しくお願いします」
守も嬉しそうな笑顔で返事をする
美乃里 「では、日曜日に」
美乃里はペコッと頭を下げ、手を振り帰ろうとする
守 「美乃里さん、もう夜遅いので送らせてください」
美乃里 「大丈夫ですよー」
守 「ダメです、送ります」
守は真剣な顔で美乃里を見つめる
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