美乃里は丁度きた朝食を食べ、診察を終え
退院の準備をする、時刻はAM9:55
守が来るのは11時頃だと聞いていた美乃里は
ベッドに座り、涼介への手紙を何度も読み返していた
涼介の携帯は鞄の奥に閉まった
あの動画は、まだ自分を責めてしまう美乃里には
冷静になって見れない気がしていた
美乃里は天井を見上げる
「涼介…」
コンコン…
(誰だろ…)美乃里 「はーい」
美乃里が返事をするとドアが開く
守 「美乃里さん、おはようございます」
美乃里 「守さん、おはようございます
少し早いですね…朝からありがとうございました
1人で心細かったので凄く助かりました」
守 「いえ、私は何も…
目が赤いですね…冷やしましたか?」
守は冷蔵庫に向かい、保冷剤を取り出し
自分のハンカチに包むと美乃里に差し出した
美乃里 「すみません…本当に
ご迷惑ばかりお掛けして…ありがとうございます」
守 「気になさらず何でも言ってください」
美乃里 「あの、これ…どうにか涼介と一緒に入れてくれないでしょうか?」
美乃里は持っていた便箋を手渡す
守 「もちろんです。ご両親も涼介さんも喜んでくれますね
では、私はこちらを渡して来ますので
美乃里さんは書類を出して準備をお願いします」
美乃里 「はい、あの…ありがとうございます。
涼介のご両親にも…手紙を書いたのですが…
渡さない方がいいでしょうか?」
守 「渡しましょう。美乃里さんの気持ち伝わりますよ」
美乃里 「ありがとうございます。宜しくお願いします」
守 「では、また迎えに伺います
あ、あの…あと、すみません…ワンピースお似合いです」
ニコッと恥ずかしそうに微笑み、
涼介は頭を下げて急いで出て行った
残された美乃里は恥ずかしそうに微笑んでいた
10分程で守は病室に戻ってきた
守 「それじゃ、少し早いですが行きましょうか」
美乃里 「はい」
2人は病院の裏口玄関へと向かう
美乃里 「あの、涼介は…」
守 「涼介さんも今日、自宅に戻られますよ」
美乃里 「そうですか…」
守 「私も葬儀に伺いたかったのですが家族葬ということでまた日を改めて会いに行けたらと思っております」
美乃里 「そうですか…」
守 「その時は美乃里さんも一緒に伺いましょう」
美乃里 「え?」
守 「美乃里さんなら大丈夫ですよ
また涼介さんに笑顔で会いに行きましょうね」
美乃里 「は…い」
美乃里の目には涙が溜まっていた
病院を出ると美乃里は空を見上げる…
美乃里 「涼介、ばいばい、またね」
と小さな声で呟いた
守と美乃里は迎えの車に乗り込み、警察署へと向かった
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