美乃里 「はぁ…」
美乃里は目を開け、天井を見つめながら
ここが病院だと気付いた後で目からは涙が流れていることに気付く
美乃里 「涼介…涼介はどこ?」
美乃里は流れる涙を拭きながら周りを見渡す
枕元に置いてあった携帯電話に気付き携帯を開く
外はもう暗い…時計の時刻は5:48と出ている
(え?私どれだけ寝てた?
どうしよう、涼介…涼介は…)
美乃里は少しパニックになりながら急いでベッドから降りスリッパを履く、急いで点滴が倒れる
「ガシャンッ」
ガラッ 病室のドアが開く
「美乃里さん」
物音に気付き、病室のドアを開けたのは守だった
守 「美乃里さん、美乃里さん大丈夫ですか?
ナースコールは押しましたか?」
守が来たことに驚いた美乃里は返事の代わりに首を振る
守 「まだ万全じゃありませんので横になってて下さい」
美乃里 「涼介…涼介…」
美乃里は悲痛な声で守に問いかける
守 「しっかりお話ししますのでまずは美乃里さんはしっかり体を休めてください
今、ナースコールを押したのでお医者さんが来るまで待ってください」
バタバタと足音と共に看護師と医者が入ってきた
美乃里は医者から軽く質問を受け、診察をし問題はないが安静にと言われると
医者は守に頭を下げ病室を出て行った
看護師から説明を受ける守を不安な目で見つめる美乃里
守は話し終えるとベッドの横の椅子に腰掛けた
美乃里 「あの…取り乱してしまいすみません
涼介は…涼介は無事ですよね?」
涙目で守を見つめる美乃里
守 「美乃里さん、落ち着いて聞いてください
涼介さんは意識不明の重体でしたが…
先程、息をひきとられました
美乃里さん…今日何日かご存知ですか?
あの事件の日から3日が経っています」
美乃里 「み、3日も…あたしは…あ、夢…
涼介が涼介が…だから…うう、うっぅあああ
涼介、りょ、りょうす…りょう…け」
美乃里は声にならない声で泣き叫ぶ
美乃里 「私が…私が涼介を、殺し」
守 「違います。美乃里さん、違いますよ」
美乃里の言葉を遮った守は
迷いながらも、うずくまってベッドの上で涙する美乃里の背中を摩る
美乃里 「涼介…ひっ、りょう、りょうすけ…ぅぅ」
美乃里は溢れる涙を布団に押し付ける
美乃里 「りょう…すけに、涼介に会いたい…」
守 「分かりました。少し待っててください」
そう言うと守は病室を出て行った
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