14.③

涼介 「後藤さん…俺もう無理っす」

健太 「何がだ?」

涼介 「待てないっす」

健太 「…」

涼介 「ねー健太さん!」

健太 「お前が健太って呼ぶと、ろくな事ねぇからやめろ

あのなー、簡単じゃねぇんだよこーゆうのは」

涼介 「美乃里探すだけっすよ」

健太 「お前薬使うやつの変貌ぶりを知らねぇだろ?」

涼介 「同じ人間じゃないっすか」

健太 「いや、違うね

1度スイッチ押したら止められねぇバケモンだ」

涼介 「はぁー、そもそもなんで後藤さん知ってるんすか?こんな事」

健太 「昔、良く遊んで貰ったおっさんとたまたま会って

話聞いた」

涼介 「じゃぁそのおっさんにどうやって接触出来るか聞いてくださいよ」

健太 「…あ、お前ビールもツマミももう無いじゃん

まだいるか?」

涼介 「話しそらさないでくだ…」


ピコン

テーブルにある涼介の携帯が鳴る


涼介 「…」

涼介は携帯を見るなり顔つきが強ばり、表情からは悔しさ、怒りが滲み出てる


涼介 「後藤さん、俺どうしたら…」

涼介は後藤にそっと携帯を差し出す

健太 「まずいな…」

涼介 「俺、とりあえず警察に連絡してきます」

健太 「待て」

涼介 「なんでですか!早くしないと美乃里が」

健太 「涼介、後ろだ」

涼介 「後ろ?」

涼介は後ろをチラッと確認する

健太 「警察だ」

涼介 「なんすか?分かるように言ってくださいよ」

健太 「お前の後ろに座ってる男2人組だよ

あれ刑事だ、前に現場で見た事がある

多分あいつらもこの事探りに来てるんだろ

俺の事も記者だって気付いてるはずだ」


健太は後ろの席を笑顔で除く


悟 「??」

悟も同じく笑顔で返す

守 「どうした?」

悟 「俺らのこと気付いてる」

守 「そうか」

健太 「こんばんは、ちょっとこっちの席いいっすか?

動きがありました」

守 「分かった」

守と悟はすぐに察し、

守は店員さんに声を掛け、仲良くなったと言い2人の席に移動した


健太は2人が座ると自分と涼介の名刺をテーブルに置いた

悟 「健太さんに、涼介さんですね」

健太 「まず、あの金髪野郎を探ってるので間違いないっすか?」

守 「そうだ」

健太は涼介の携帯をとり画面を2人に見せた

健太 「この子は美乃里って子でこいつの元彼女」

守 「分かった」

健太 「早くしないと時間が無いかもしれねぇ」

涼介 「俺もう待てねぇ」

涼介は立ち上がる

守 「待ってください、感ずかれます」

涼介 「じゃあどうすんだよ早く考えろよ」

守 「悟、智さんに連絡して応援頼む」

涼介 「もうここにお前ら警察がいるんだから助けに行けばいいだろ

手遅れになったらどうすんだよ」

守 「涼介さん、気持ちは分かります

ですが、逆に私たちが動くことによって通報を疑われるのは美乃里さんです

美乃里さんに逆上して危害が加わることも考えられます」

健太 「涼介、警察に任せとけ

薬は怖ぇぞ

あんたら刑事さん達はどうやってこの話しを?」

守 「詳しい事は言えないですが匿名の通報です」

健太 「俺と警察が一緒くらいにこの場所を探ってるって事は…間違いない。おっさんだな」

守 「健太さんが持ってる情報を伺ってもいいですか?」


健太 「今回は涼介の為だから特別だぞ

あの金髪の男は中根 雅紀(なかね まさき)

そしてもう1人はこの店のオーナー服部 洋平(はっとり ようへい)

美乃里ちゃんが言っていた刺青と目の下にホクロの男だ

この2人が大元で、従業員のほとんどがコマにされてる

らしい…そこは正確な情報ではないが…

後、あの金髪の女が見張りとリーダーで間違いなさそうだな

この3人以外はただのコマだな

後は…はなって言うキーワードは聞いていたが

部屋のことだったのか…華と葉…

どちらかにいるということだよな…

俺が知ってるのはそれだけだ」


RRRRRR

健太が話し終えた所で丁度、守の携帯が鳴る


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