11.③

「ガチャッ」

男性 「こんばんは〜」

男性は前菜と一緒に登場した

雅紀 「おう、洋平」

洋平 「美乃里ちゃん、こんばんは」

美乃里 「こんばんは

あの、この間はご馳走になりました」

ペコっと頭を下げる美乃里

洋平 「全然!気にしないで」

美乃里 「とても美味しかったです」

ニコッと笑う美乃里をまじまじと見る洋平

美乃里 「ん?」

美乃里は雅紀に目をやる

洋平 「いや〜可愛いね」

雅紀 「やめろ」

少し強めで怒っているような口調の雅紀

洋平 「う〜怖いっ」

美乃里 「ありがとうございます…」

美乃里は控えめにお礼を言い、目の前の食事に手をつける


雅紀 「今日、運び持ってきたか?」

洋平 「もっちろ〜ん」

雅紀 「じゃぁ、後でここに持ってきて」

洋平 「お!今日から?もう?」

雅紀 「お前……」

洋平 「先に頂いてます」

雅紀 「はぁー仕事終わってからにしろよ」

洋平 「先にしたから仕事頑張れてるんだろ〜」

雅紀 「はいはい分かった」

洋平 「じゃ、お料理持ってきまーす」


「ガチャッ」

洋平は出て行った


美乃里 「何だか凄く陽気な人なんだね、洋平くん」

雅紀 「まぁ、今わな」

美乃里 「そうなんだ」

(2人の会話は理解出来なかったけど

雅紀くんのお友達に挨拶できて良かった)


(後ろの2人…音楽で聞こえにくいな…

電話してる男性から微かに'みのり'って聞こえた気がしたんだけどな…みのりさんの事じゃないか…

偶然だよな、、)

守 「どうした?」

険しい顔の悟に声を掛ける守

悟 「後ろの体格のいい男、記者じゃないか?

あ、まだ振り向くなよ」

守 「ああ」

悟 「この間の事件の時にしつこい記者がいてな、多分あいつだ」

守 「偶然か?それとも…」

悟 「いや、あいつは嗅ぎつけてる」

守 「はぁ…智さんに報告するか」

守は携帯を取り出し、智貴にメールを送る


記者が嗅ぎつけてるようで、店内に来ています

このままノータッチでいいでしょうか?


智貴からの返信は直ぐにきた


とりあえず様子見だ

何か動きそうであればまた連絡してくれ


守 「とりあえず様子見で」

悟 「了解」


涼介 「クソっ同じ店ってなんだよ」

(なんだよ、あいつめっちゃムカつく)

涼介は切られた電話を眺めながらイライラをぶつける

健太 「お〜荒れてるね」

涼介 「あー俺も美乃里と会いてぇー」

健太 「お前、未練タラタラだな」

涼介 「あんないい女いないっすもん」

健太 「次!次!男がグジグジいつまでもだせぇな」

涼介 「美乃里しかいらないっす…」

涼介はお酒も入ってるせいか弱々しく机に突っ伏す

健太 「ナンパしろ!ほら、あの子 綺麗だぞ」

涼介 「金髪は無理っすね〜

今、美乃里にちょっかい掛けてるアホも金髪なんすよ

見るだけでアイツの顔がチラついて…」

健太 「他に特徴は?」

健太は食い気味に涼介に聞く

涼介 「え?えーっと爽やか系でニカッて感じの笑い方しますね、女慣れしてそうな嫌な感じっす」

健太 「そいつが同じ店って言ってたのか?」

涼介 「そうっすね…って後藤さんどうしたんすか?

怖い顔して」

健太 「ちょっと見にくいけどこいつだろ?」

健太は携帯の画面を涼介に見せる

涼介 「そうっす!え?知ってるんすか?」

健太 「俺が今日ここに来た理由もこいつだ」

涼介 「て事は…」

健太 「そうだ、俺がこの間お前に教えてやった

何も知らない女の子達が犯罪に巻き込まれてる…

美乃里ちゃん…そいつと今いるのか?」

涼介 「コマ…」

(美乃里はしっかりしてるからそんなのに騙されないはずだ…)

健太 「涼介、しっかりしろ

俺の情報だとキーワードは華らしい」

涼介 「はな?」

健太 「あぁ、この華ってのをどう使うかは知らない」

涼介 「同じ店ってことは」

健太 「あぁ、この店のどこかにいるはずだ

ただ、普通の従業員と奴のグループの従業員がいるはずだ」

涼介 「変に探し回れば直ぐに気付かれるか…」

健太 「本当はヤツが来るのを確認して見つけたかったんだが先を越されたか…」

涼介 「美乃里…」

涼介は美乃里に連絡をする


美乃里、返事できたら直ぐにしてくれ


俺は返信が来るのを待った

本当は待つべきではなかった

探すべきだったんだ