10.②


雅紀 「あ!それ貸して、俺開けてい?」

美乃里 「う、うん」

雅紀は香水を袋から出し、美乃里の手首に付ける

雅紀 「首につけて」

美乃里は言われたままに手首を擦り合わせ

首元に付ける

美乃里 「ああ〜やっぱり凄くいい匂い、嬉しい」

満面の笑みで雅紀に笑いかける

雅紀 「俺にもちょうだい」

雅紀は美乃里の手首を引き、美乃里の首元に顔を近付ける

雅紀 「美乃里の匂いだ」

美乃里 「ッッ」

美乃里は首元にある雅紀の顔と美乃里の耳元をつたう雅紀の手にドキドキが止まらなかった

雅紀はそのまま美乃里の髪を耳にかけると引き寄せて

美乃里にキスをする

美乃里は恥ずかしさで下を向く


雅紀 「ごめん、我慢出来なくて…」

美乃里は首を振る

雅紀 「暗くなってきたし、行こっか」

雅紀は美乃里に手を差し出し

美乃里は雅紀の手を握る

2人は手を繋ぎ、歩き出す


美乃里はただただ雅紀との恋愛を楽しんでいた

恋をするドキドキとワクワクを…

前回のような警戒心は今の美乃里には無かった


雅紀は歩きながら携帯を開き


おちた


一言だけ送信する

カウントダウンの始まりだ。



雅紀 「どこか行きたいお店ある?」

美乃里 「うーん、どこがいいかなぁ…」

雅紀 「この間のカフェでもいい?

なんか新作が出たみたいで食べてみたい」

美乃里 「美味しかったもんね、いいよ」

雅紀 「実はさ、あそこ俺の友達が働いてて

美乃里と行った時はいなかったんだけど、今日は働いてるみたいで

この間は気になる子とご飯行くって言ったら

そんな事珍しい!みたいな言われて俺の奢りでたくさん食べて行け〜なんて言うからご馳走してもらったんだよね

お会計しないで美乃里ちゃん怪しんでたよね?

すぐ言えなくてごめんね…俺の好きがバレバレになっちゃうから言えなくて」

美乃里 「そうだったんだ!じゃぁ今日お友達くんにお礼言わなきゃね」

雅紀 「俺、女の子合わせるの初めてかも…」

美乃里 「え?そうなの?凄い遊んでそうだけど…」

雅紀 「なんだと?」

2人は笑い合い、ふざけながら楽しい時間を過ごす

どこから見ても仲のいいカップルだ

美乃里は恋の始まりに舞い上がっていた

雅紀の一言、一言が自分を特別だと言っているようで

雅紀に堕ちていた…


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