8.②

RRRRRR… 美乃里の電話が鳴る

美乃里 「はい」 

雅紀 「あ、美乃里ちゃんおはよう」  

美乃里 「おはよう〜ってもうお昼だよ」

美乃里はクスクス笑う

雅紀 「ほんとだ、起きてすぐ美乃里ちゃんの声

聞きたくて電話しちゃったよ

もうお昼なんだね ふぁ〜あ」

雅紀は大きな欠伸をしながら話す

美乃里 「それはどうも〜」 

照れ隠しで素っ気なくなる美乃里

雅紀 「美乃里ちゃんまだ実家?そろそろ会いたいけど」

美乃里 「まだ実家だよ〜明日には帰るかな」

雅紀 「じゃぁ、明日またご飯しよ」

美乃里 「いいよぉ」

雅紀 「決まりねーまた明日こっち帰ってきたら教えてね」

美乃里 「分かった〜」

雅紀 「じゃぁ俺は寝正月だから美乃里ちゃんを思ってまた寝るわ〜おやすみ〜」

美乃里 「アハッ、おやすみ〜」


あれから雅紀くんはマメに連絡をくれる

そして気のある素振りを見せる

まあ、嫌な気はしない

だけど本心なのかがイマイチ分からない

やっぱり謎な人だよな〜雅紀くんって


私は周りにはアリもしない実家に帰省中だと言っている

年末年始くらい1人でのんびりとしたいし

仕事も溜まっていた

こーゆうところ私は結構冷めてるのかな…なんて思う

本当の自分で接してないから疲れるし、自分でも本当なんてのが分かんなくなる

人と関わらない日常も必要であの日のことを振り返るのも必要で、私はあの苦しみを忘れてはいけないの

私の罪を私は背負わなければいけないの



ハァハァハァはぁっ

ごめんなさい ごめんなさい

お母さん、お願い お母さんお願いだから逃げてー

アハハハハハハッ


美乃里 「はぁはぁ…はあ〜」

(いつの間にかまた寝ちゃってたなぁ)


美乃里はキッチンへ行き水を一気飲みする

そして汗で湿った顔を吹く

美乃里 「はぁーなんか気分転換しよ」


美乃里はジャージに着替え走る準備をする

(帰省中の設定だし、知り合いには会いたくないよなー)

美乃里は帽子を深く被り、マスクをしてマフラーを巻く

時刻はPM5:30

もう、あたりは真っ暗だ

美乃里 「 朝以外に走るのは久しぶりだな〜」

美乃里はいつもと違うルートを走る

美乃里 「少し遠くまで行ってみよ」


(何聴こうかな〜♪

今日は冬ソングメドレーにしよ)

イヤホンからはbacknumberのクリスマスソングが流れ出す

(もうクリスマスは終わってるけど

冬って感じだよね〜うん、好き)


美乃里は気分良く走り出す

美乃里 「ふぅー、二駅分くらい走っちゃったかな〜」

近くのコンビニでお茶を買う

コンビニを出る時、見知った顔とすれ違う

(ん〜?どっかで見た顔なんだけどなぁ…

あ!守さんだ!)


美乃里は横目でチラッと彼を確認した

すると彼もこちらを見ていて

目が合ってしまった

美乃里は直ぐに目を逸らし走り出す

(何故か心臓がバクバクとしている

目しか出してない私にはきっと気付いてないだろうけど

でもなんでこっちを見てた?

あたしがこんな格好だから?

もしかして警察の癖で私を怪しんでたのかな?

それにしても私服は反則

なんか!なんか!ドキッとしたじゃんか!)


大興奮の私は気付いた頃には家の近くまで走っていた

美乃里 「あー声かけるべきだったかな?

いや、そもそもそんな仲じゃないしね」


。。。