7.①

美乃里 「あーちょっと遅れちゃった」

美乃里は小走りで雅紀との待ち合わせ場所へ走る

待ち合わせ場所が近付くと反対側からも小走りで来る雅紀の姿が見えた

雅紀は美乃里に気付き、手を振る


雅紀 「あー良かった、美乃里ちゃん待たせちゃってるかと思って焦った〜」

美乃里 「あたしも遅れちゃって、一緒のタイミングで良かったです」

雅紀 「元彼くんは来てない?」

雅紀はからかうような顔で辺りを見回し、探す素振りをする


美乃里 「やめてくださいよ〜」

雅紀はニカッと笑って意地悪な顔を見せる

雅紀 「よし、行くか

俺たちそんな歳変わんないし、敬語やめてね」

歩き出す雅紀は爽やかな笑顔で美乃里に微笑む

一瞬その笑顔にドキッとなる美乃里


(なんか2人で会うと調子狂うな〜)

美乃里 「そー言えばまさきくん何歳でしたっけ?」

雅紀 「1つ上だよー」

美乃里 「 そうなんですね!あ、そうなんだ〜」

雅紀 「それでよろしい」

雅紀は美乃里の頭を撫でる


(キュン…

あ〜これはやばい、雅紀くんのペースだ…平常心)

雅紀 「美乃里ちゃんってなんか謎だよね?」

美乃里 「そうかな?私は雅紀くんの方が謎な気がするけど」

雅紀 「えー?そうかな?」

美乃里 「うん、謎!

そー言えば昨日の飲み会 楽しかった?よく合コンとかするの?」

雅紀 「合コンは人数合わせで和樹からよく誘われる…

楽しかったか?って聞かれると

美乃里ちゃんとの話しは楽しかったかな」

美乃里 「えー?そんな楽しい話ししたっけ?」

雅紀 「え?逆に俺との話し楽しくなかったの?」

「プッ、ハハハハ」

美乃里と雅紀は笑いながら楽しそうに歩を進め、

雅紀は1件のお店の前で足を止める


オシャレな夜のカフェだ…

BGMは大きめで流行りの曲が流れてる

客層も若めでカップルや女子会で盛り上がっている

美乃里 「素敵なお店だね〜 雅紀くんって意外と女の子が好きそうなとこ知ってるんだね〜

なんか勝手にこうゆう所 苦手なイメージだった」

雅紀 「さすが美乃里ちゃん!よく分かったね

こーゆう店は苦手だけどここのご飯は本当美味しい」

美乃里 「そうなんだぁ、楽しみ」


「いらっしゃいませ〜」


お店に入ると店員さんが近付いてきて

店員 「雅紀!最近連絡無いから…」

「…」


2人は小さい声で話だし、少し大きめのBGMが流れる

お店では2人の会話はあまり聞こえなかった

(深い知り合いなのは見て分かる

そして女性の方は雅紀くんの事が好きなのも見て分かる

好きだけど何だかそれ以上の関係な感じもする

うーん元カノか…な?)


店員 「こちらにどうぞ〜」

綺麗な多分元カノ店員さんに案内され、

少し奥の部屋の更に奥の個室に進む

表のガヤガヤと賑わう感じとは変わって、

BGMもちょっと小さめで落ち着いた雰囲気だ

普通の話し声でも聞こえるから声を張らなくてもいいのはありがたい

(こんな奥にも席があるんだぁ…)


雅紀 「はい」

雅紀はメニュー表を美乃里に渡す

美乃里 「ありがとう」

さっきの女性の事は気になったけど別に私は彼女じゃないし、彼女でも無い人にそんな探索されても嫌だろうし聞かない事にした


美乃里 「これ美味しそう〜あとこれも」

雅紀 「昨日もそうだけど美乃里ちゃんってよく食べるよね」

美乃里 「確かに…雅紀くんより食べれるかも」

雅紀 「ハハハハハッさすがに女の子に負けるのは勘弁」


2人は楽しい時間を過ごす

ご飯も食べ終わり、時刻は22時


雅紀 「そろそろ行く?」

美乃里 「うん、行こっか〜美味しかった〜」

雅紀はそのまま慣れたようにお店を出る

美乃里 「あれ?お会計…」

雅紀 「あ、もう払ったからいいよー」

美乃里 「え?いつのまに?」

(私は帰り際トイレにも立ってないし…なんか変な感じ

お知り合いのお店だとしてもお金は払うべきだ)

所々感じる雅紀への違和感

美乃里は少し嫌な気分になってしまった


美乃里 「あ、私お金払うよ

沢山食べたし、どのお料理も美味しかったし」

雅紀 「ほんとに大丈夫だよ!その変わりまた今度もここに食べに来よ」

爽やかな顔でニカッと笑う雅紀

美乃里は雅紀のペースに飲まれていく


。。。